2012-01-01から1年間の記事一覧

イデア論と性善説と子供

読み書きできないエチオピアの子供たちにAndroidタブレットを与えたら...彼らは5ヶ月でハックした http://www.gizmodo.jp/2012/11/android5_1.html とても面白く興味深い事例と思う。 これと少し本質は似ているが、内容の全く逆の話が、エジプトにある。ヘロ…

32.学問のすすめ 現代語訳 七編 第五段落

第五段落 人民は、既に一国の家元であって国を護るための経費を払うことがそもそもの職分であるからには、この経費を払うのに決して不平の顔色を出してはならない。国を護るためには役人の給料を払わなければならないし、海軍陸軍の軍費もなしというわけには…

中国 二つの脅威

私は、中国には二つの脅威があると思う。 一つ目の脅威は、これは多く報道されているし、皆気が付いている脅威、そう、その全体主義と帝国主義、中華思想である。この脅威に関しては、多くの意見があるから、私はそれに同調しているということだけを述べるに…

31.学問のすすめ 現代語訳 七編 第三・四段落

第三段落 第二 主人の身分で論ずれば一国の人民は政府でもある。 それが何故かというと、一国中の人民が全員政治をするわけではないのだから、政府というものを作ってこれに国政を任せ、人民の代表として事務を取り扱わせるという約束を定めているからである…

わかりやすい論語18 君子危きに近寄らず

はじめにこの言葉は実は論語にはありません。ですが、論語をよく勉強すれば、この「君子危きに近寄らず」も意味の分かる言葉です。この前、君子と検索画面に入れてみたら、これが一番上に来たので、説明したくなりました。君子危きに近寄らず (ことわざ)現…

パイドンを読んでいて3

今日、パイドンを読んでいて、「プラトンは極端だな」と思った。というのも、魂と肉体を完全に分ける議論は、やはり極端と言わざるを得ないからである。だが、それはそれで完結的な論証ができているわけであって、途中で肉体と魂とのハーモニー(調和)につ…

30.学問のすすめ 現代語訳 七編 第一・二段落

七編 国民の職分を論ず 第六編に国法の貴いことを論じて、国民たるものは一人で二人分の役目を勤めるものだと言った。今またこの役目職分のことについて、これからさらに詳しく述べて六編の補てんとする。 第一段落 おおよそ国民たるものは、一人の身で二つ…

29.学問のすすめ 現代語訳 六編 第八・九段落

第八段落 国法が貴いことを知らない者は、ただ政府の役人を恐れ、役人の前では態度を良くして、表向きに犯罪の名がないのなら裏では罪を犯していてもこれを恥だと思わないばかりか、巧みに法を破って罪を逃れる人がいるとかえってこれをその人の働きだとして…

総選挙の予想

いつものように先に発表しておかないと予想にならないので、かなり早い段階ではあるのだけど、先に予想しておこうではないか。 本当は選挙区とか、議員数とか、選挙法がどう変わるのかを少し詳しく調べれば、相当に精密な予想もできると思うのだけど、ここは…

28.学問のすすめ 現代語訳 六編 第六・七段落

第六段落 昔は、日本で百姓町人といったやからが、士族に対して無礼を加えた場合の切り捨て御免という法があった。これは、政府が公に私裁を許したものである。なんとけしからんことであろうか。全て一国の法は唯一政府によって施行するべきものであって、そ…

27.学問のすすめ 六編 第五段落

第五段落 昔徳川の時代に、浅野家の家来が、主人の仇打ちだといって吉良上野介を殺したことがった。世ではこの事件を忠臣蔵、また、この仇打ちをした人たちを赤穂の義士と呼んでいる。この一件はなんと間違ったことだろうか。 というのも、この時日本の政府…

ご報告

いつもこの拙いブログを読んでいただきありがとうございます。私は暇な独身男性(彼女募集中)のため、このブログのアクセス解析とか見て一喜一憂しております。遂に最近、アクセス数が一日100訪問ほぼ盤石と言う地位に到達しました。「少ないんじゃないの」…

26.学問のすすめ 現代語訳 六編 第三・四段落

第三段落 たとえば、我が家に強盗がきて家の中の者をおどし金を奪おうとしたとする。このとき、家の主人たる者の職分は、この事の次第を政府に訴えて政府の処置を待っているのが本当であるのだけど、事が火急でありそれを待っている時間もなく、かれこれとす…

パイドンを読んでいて2

今日、パイドンを読んでいたら、シミアス(死見明日:偶然このように変換されたが、パイドンの内容に即している。この音が似ていることも偶然なのか、それとも必然なのか)とケベス(こちらは卦べすと変換された:卦べき、卦すとすればパイドンの内容にこじ…

知り過ぎないこと

この前、大学、中庸(これは今は途中だが)と読んで、「至善」(しいぜん)について、思うところがあった。というのも、至善とは止まることであるからである。以前は、そんな特に「智」と言うことについて、止まる必要などないほどに未熟だったのではあるけ…

25.学問のすすめ 現代語訳 六編 第一・二段落

六編 第一段落 国法の貴きを論ず 政府は国民の代表で、国民の思うところに従って事をなすものである。その職分(務め)は罪のある者を取り押さえて、罪のない者を保護することに他ならない。これがすなわち国民の思っていることで、これさえしっかりと行われ…

24.学問のすすめ 現代語訳 五編 第八・九段落

第八段落 今まで論じたことによって考えてみると、国の文明は上政府から起こるものではないし、かと言って下人民から生ずるものでもない。必ずその中間から興って皆の向かうべきところを示し、政府と並び立ってから、そうして始めて成功を期することができる…

パイドンを読んで1 プラトンの死生観は仏教に近い

今日、プラトンのパイドンを読み始めた。 普通に面白い。 ちなみに昨日までは、孟子を読み終わって、大学、中庸と読んでいた。 プラトンの作品は、ソクラテスの言行録でなくて、プラトンがソクラテスにしゃべらせているだけだ。などといったいろいろな学説が…

23.学問のすすめ 現代語訳 五編 第七段落

第七段落 そもそも我が国の人民に気力が無いことの原因を考えてみると、数千百年の昔から、政府が全国の権柄を一手に握って、武備文学から工業商売に至るまで、また、社会の細かい事務までも、政府の関わらないものはなく、人民はただ政府がこうせよというと…

22.学問のすすめ 現代語訳 五編 第一〜六段落

五編 第一段落 学問のすすめは、もとは民間の読本か、義務教育の教科書として書いたものであるから、初編から二編三編はなるべく一般的な話し言葉を使って文章を読みやすくすること第一としていたのだけど、四編では少し文体を改めて難しい言葉を用いたとこ…

誰もかれも批判の先を間違えている

民主主義なるものは、自身が自身を治めて、自身が自身の独立を保って、自身が自身に尊厳を持ち、そうして社会を形作っているものである。 思い通りに行かないこと、例えば、商売がうまくいかないことを、安易に政府の責に帰して、そうして彼ばかり批判するこ…

21.学問のすすめ 現代語訳 四編 第八段落・附録

第八段落 今まで論じてきたことの概要は、今の世の学者が、この国の独立を助け成そうとするにあたって、政府の範囲内で役人として事を行うのと、その範囲を脱して私立する場合との利害得失を述べて、私立の方に大きく味方したものである。 すべて世の中のこ…

20.学問のすすめ 現代語訳 四編 第七段落

第七段落 今まで述べたようなことが本当の事ならば、我が国の文明を進めてその独立を維持するためには、政府のみによってそれができるというわけでもなく、また今の洋学者流だけに頼っているだけでは足らず、必ず私自身に任ぜられるものであって、まず私が事…

米大統領選

ロイター調査:米大統領選、両候補の支持率に有意な差みられず http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89O06X20121025 あれ? おかしいな。 確かに、昼のNHKのニュースでは、ロムニー氏51%、オバマ氏49%(ABC放送調べ)と言っていたと思うんだけどな…

19.学問のすすめ 現代語訳 四篇 第六段落

第六段落 このように考えてみると、これから我が国の文明を進めるためには、まず人心にすっかり染みついているかの気風を一掃しなければならい。これを一掃することは、政府の命令では難しいし、個人的な論説を用いても難しい、必ず人に先だち個人的に何かの…

18.学問のすすめ 現代語訳 四編 第五段落

第五段落 このように言う人もあるかもしれない。政府はしばらくの間だけ一時の術策を用いて、人民の智徳が進むのを待ってから、人民自身によって文明の域に入るらせるようにすればいいのだと。この説は言うことはできるけれども行うことはできない。 われら…

17.学問のすすめ 現代語訳 四編 第二・三・四段落

第二段落 何かを維持するためには力の平均というものが必要である。たとえば、人の体のようなものだ。体を健康に保とうと思うと、食べたり飲んだりしないとならないし、空気と太陽の光が必要であるし、暑い寒い痛いかゆいというような外からの刺激があって、…

16.学問のすすめ 現代語訳 四編 第一段落

四編 第一段落学者の職分を論ず 最近、識者の意見を聞いていると、 今後日本の盛衰は、簡単には察することはできないとはいえ、今の独立の地位を失うような憂き目にあうことは到底ないであろうし、このごろ目撃しているところの勢いによって進歩すれば、必ず…

15.福沢諭吉 学問のすすめ 現代語訳 三篇 第五・六・七段落

第五段落 第二条 内に居て独立の地位を得ることができないものは、外に在って外国人と接するときもまた、独立の権義を発揮することはできない。 独立の気力がない人は必ず人に頼る、人に頼る人は必ず人を恐れる、そして人を恐れる人は必ず人に諂(へつら)う…

14.学問のすすめ 現代語訳 三篇 第三・四段落

第三段落 このような次第であるから、外国から我が国を守ろうとするならば、自由独立の気風を全国に充満させて、国中の人々に貴賤上下の区別もなくし、その国は自分の国であると各自が自分の身に引き受けて、智者も愚者も目が見開いている人もそうでない人も…