2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

129.荀子 現代語訳 強国第十六 五・六章

五章 力術が止んで義術が行われるとはどういうったことであろうか。 それは、秦のことである。湯王や武王より威勢があって強く、舜帝や禹王よりもよりも土地が広大である。そうであるけれども、いつも心配した様子で天下が一合してこちらを圧することを恐れ…

史記を読んでいて1

最近、徳間書店の「史記」を図書館で借りてきて読んでいる。三冊も抄訳を読んだ後なので、満を持してという感じである。これに加えて、そもそも私は、漢籍に親しんでいるから、出てくる人物とかも大体知っているわけである。 それで、この「史記」は、本文構…

128.荀子 現代語訳 強国第十六 四章

四章 荀卿子が、斉の相国に説いて言うには、「人に勝つだけの勢(立場、背景)があって人に勝つ道を行って、天下に憤りを感じる者がなかったのは、湯王と武王でありました。人に勝つ勢がありながら人に勝つ道を行わず、天下を保つ勢が厚かったのに、匹夫であ…

126.荀子 現代語訳 強国第十六 一章

一章 型が正しくて材料も良いもので鍛冶屋も巧くて火も整えられているならば、その型を開けばこれは宝剣莫邪である。けれども、屑をしっかりと落とさず砥ぐこともしないのならば、縄を切ることもできないだろう。逆に、しっかりと屑を落として砥ぐのならば銅…

127.荀子 現代語訳 強国第十六 三章

三章 公孫子という書物によると、楚の子発は将軍として蔡を攻撃して、蔡に勝って蔡候を捕えた。そして、楚に帰って命令を達成したことを報告してこのように告げた「蔡候は自分のお社を楚の国に奉って楚に帰属しました。私は二三人の人に託してこの地を治める…

新自由主義とは

荀子の現代語訳に勤しんで、かれこれ半年くらい経ったけど、かなり物事を上の次元から眺められるようになった。 そう思ったのは、図書館で「新自由主義の復権」中公新書を借りてきたことなどが発端だ。10pまで読むまでは、面白いなとか思っていたのだけど、…

125.荀子 現代語訳 議兵第十五 九・十章

九章 そもそも人を兼ね合わせることには次の三つの術がある。徳によって人を兼ね合わせること。力によって人を兼ね合わせること。富によって人を兼ね合わせること。 彼らはこちらの名声を貴んでこちらの徳行を美しいものとしてこちらの民衆になろうとし、そ…

124.荀子 現代語訳 議兵第十五 八章

八章 人の行動というものは、報償のためにやっているのなら傷害のあることを見た時その行動を辞めてしまうものである。だから、賞慶刑罰勢詐といったものでは人の力を尽くさせて人を死に至らしめるほどのことはできない。 人の君主たる者で、その下の人百姓…

123.荀子 現代語訳 議兵第十五 六・七章

六章 李斯が孫卿子に尋ねて言うには「秦は四世に渡っての優位があります。兵は四海のうちでも強い部類に入って、その威勢は諸侯に十分影響を及ぼします。ですが、これは仁義によるものではありません。ただものごとの便というものに従っているだけであります…

122.荀子 現代語訳 議兵篇第十五 四・五章

四章 孝成王と臨武君「そうであるならば、次は王者の軍制について教えていただけませんか」 孫卿子「将は鼓に死んで、御者はくつわに死んで、役人は職に死んで、士大夫は行列に死ぬものです。太鼓の音を聞いて進軍し鐘の音を聞いて後退して、善い命令に従う…

121.荀子 現代語訳 議兵第十五 三章

三章 孝成王と臨武君「そうであるならば、将であることについて教えてください」 孫卿子「知は疑わしいものを捨てることより大なることはなく、行いは過ちがないことより大なることはなく、事は悔いが残らないより大なることはない。事は悔いがないことにい…

おのれは愛すべき者

講談社学術文庫 仏教聖典 210pより 語り口と内容を変化させて抜粋 釈尊が祇園精舎におりましたとき、 コーサラ国の王さまパセーナディと、お妃さまのマッリーカ、 美しく居心地安きその宮殿で、夜空を見上げておりました マッリーカお空を見上げて言いました…

120.荀子 現代語訳 議兵第十五 二章

二章 孝成王と臨武君「そうであるならば、また一つ教えて頂きたい。王者の兵には、いかなる道といかなる行を用いることが必要なのか。」 孫卿子「そもそも、大王(孝成王のこと)にとっては将帥のことなどは末事であるのです。そうでありますれば、私は、王…

119.荀子 現代語訳 議兵第十五 一章

議兵第十五一章 臨武君と孫卿子(荀子のこと)が兵事について趙の孝成王の前で議論した。 王「兵事の要について教えて頂けませんか?」 臨武君が答えて「上は天の時を得て、下は地の利を得て、敵の変動を観察して、敵より後に出発して敵より先に到着している…

少しお休みします→一日で治ったので復活です

インターネット接続が調子悪くなったので少しお休みしますNTTに電話したら治りました

118.荀子 現代語訳 致士第十四 三〜十章

三章 民衆を得ることができれば天をも動かすことができ、 意(思い、心)を楽しませることができれば長寿となり、誠信(心に裏表なく、心と行動に隔たりがないこと)であるならば神のようで、 嘘ハッタリばかり言っていれば魂を駆逐することになる。 四章 人…

117.荀子 現代語訳 致士第十四 一・二章

致士第十四 (士を招く) 一章 聴聞を広めて幽かなことを顕わにして、明を重ねて姦(ずるい悪事)を退け、良を進めるための術。 近親者で徒党を組んでお互いにおもねりあったような良い評判については、君子はこれを聞こうとしない。 他人を事実無根や大げさ…

116.荀子 現代語訳 臣道第十三 五〜九章

五章 人に仕えて善をともに行ってもらえないのなら、努力が足らないからである。 努力をしているのに善をともに行ってもらえないのなら、敬することができていない(大事にする気持ちが足りない)からである。 敬することができているのに(大事にする気持ち…

115.荀子 現代語訳 臣道第十三 二〜四章

二章 命令に従って君主に利益を生み出すことを順と言って、 命令に従っていても君主に利益を生み出さないことを諂(へつらう、よこしまなことをする)と言って、 命令に逆らいながら君主に利益を生み出すことを忠(まごころ)と言って、 命令に逆らってしか…

114.荀子 現代語訳 臣道第十三 一章

臣道第十三 一章 臣下の種類は、態臣というものがあり、簒臣というものがあり、功臣というものがあり、聖臣というものがある。 国内では政治を取り扱う実力など無くて民衆を一つにすることなどできず、国外では外難を防がせるようなこともできず、百姓から親…

113.荀子 現代語訳 君道第十二 九章

九章 材人(才能のある人)。 正直で素直で仕事をさぼらず任されたことをしっかりと果たし、計算は緻密で間違いを犯すようなことがないならば、これは役人の才能というものである。 身が修まっていて端正で、法を尊んで自分の分限に慎み居て、偏った不正の心…

文明と文化の違いについて

(二三年前の記事をまとめ直したので、微妙に一貫性がない内容になっている) まず、文化と文明と言うが、この語も結構曖昧であると思う。 よって、今ここでは、文化を感性に依存するものとして、文明は理智に依存するものとする。 文化とは例えば、アメリカ…

112.荀子 現代語訳 君道第十二 八章

八章 塀の外は目で見ることができない。一里先のことは耳で聞くことができない。しかし、君主が守り司るところは、遠くは天下の果てで近くても国境であり、そうやすやすと知ることはできない。天下の変化と国境内の間で緩みが生じてかみ合わないようなことが…

111.荀子 現代語訳 君道第十二 七章

七章 人の主たる者は、強くなりたいと思って弱いことを嫌がり、安全になりたいと思って危険を嫌がり、栄えたいと思って辱めを嫌がらないということはない。これは、聖王たる禹と暴君の桀とでも同じことなのである。この三つの欲するものを求めてこの三つの嫌…

福沢諭吉論法と荀子論法

荀子の現代語訳をやろうと思ったのだけど、次の章はとても長いので、明日やることにした。その代わりに、私が体得した論法をまとめておきたい。 福沢諭吉論法 福沢諭吉論法なるものは、これにあらずして、それにあらずして、例えるならば水の流れるが如くな…

陰陽思想について

忘れないうちに記しておこう。 陰陽思想(あくまで私の定義する)とは、陰と陽を同時に肯定することであった。 どういったことかと言うと、両極を同時に肯定するということだ。 多くの人が、ものごとをデジタルに(無機質な数字として)処理をして、ステレオ…

110.荀子 現代語訳 君道第十二 六章

六章 至道の大形。 礼を尊重して法にそれをしっかり反映させることができれば、国には一定の変わらない常というものが生まれることになり、 賢者を尊んで能力者を使うならば、民衆は方向性や一定の範囲というような方というものを知ることとなり、 多くの論…

たまにはすぐに効果の出る話

骨盤健康法はかなりいい とてもいい とにかくいい 読者のみなさんにも健康な生活を送っていただきたいので、やり方も紹介します。私の体による実績は、体重が、93キロ→83キロになった、多分ウエストが、5〜10センチくらい減った、肩こり、腰痛にならなくなっ…

109.荀子 現代語訳 君道第十二 五章

五章 道とは何か。 道とは君の道である。 君の道とは何か。 よく群れを成すことである。 群れを成すとはどういうことか。 (養生)人を善く養い生かすことであり、 (班治)人を善く役割分担することであり、 (顕設)人を善く役割に任ずることであり、 (藩…

108.荀子 現代語訳 君道第十二 四章

四章 国を治めるということについて教えてください。 身を修めるということについては聞いたことがあるが、未だかつて国を治めることについて聞いたことがない。君主なる者は手本であり、民衆はその影に過ぎない。手本が正しければ影も正しくなる。君主なる…