歴史

ローマ人盛衰原因論を読んで

ローマ人盛衰原因論は、『法の精神』で有名なモンテスキューの著作で、題名の通りのことが考察されている。 この本の難しいところは、ローマ史を既に知っていることが前提として書かれていることである。このために、日本人ならおよそ知らないような人物の名…

ヘロドトス『歴史』を読み終わった

ヘロドトスの『歴史』を読み終わった。 おもしろかったが、これについては、既にあると思うけど、各個人に注目して編集し直すともっと面白く読めるものだと思う。 というか、これを題材にした作品は結構あって、スパルタの王、レオニダスがペルシアのクセル…

クロイソス

ヘロドトスの歴史という本を最近は読んでいる。 これはもう何年も前に読もうと思って購入したのだけど、途中で読まずに放ってあったものだ。なんとなく思い出して読むことにしてみた。 この歴史の中のかなり前半にクロイソスという登場人物が出てくる。 この…

メモ程度 文明論の概略

今日、福沢諭吉の文明の概略を読んでいたら、 「日本の人民は国事に関せず」とあった。 そうかもな〜と思った。 文脈から行くと、まずは、西洋の歴史が詳しく解説される。詳細としては、西洋では昔から「フリーシティ」があったり、宗教でもキリスト教には新…

渋沢栄一の功績と富国三傑について

新渡戸稲造の武士道を読んでいて、改めて渋沢が日本に寄与した功績が大きいことに気がついた。 というのも、今でこそ、資本家層(商売人の親玉)は、ただそれだけで、つまり中身がなくても、名士として世間で認知されるのであるが、当時は、商売を営んでいる…

史記を読んでいて9(市場経済と人との関係について)

史記を読んでいて、管仲のこのせりふを読んだ時に、少し不思議に思った。 「米倉が一杯になって民衆は礼節を知り、衣食に困ることがなくて民衆は栄辱を知る。上に居るものが度を過ぎないようにすれば親子兄弟親戚の絆は固まる。礼・義・廉・恥の4つのことに…

史記を読んでいて8

今は、漢の治世時代についての部分を読んでいる。 特に、史記というのは、人物中心の歴史が描かれていて、それが他の歴史書や学校で習うような歴史とはかなり違った趣を呈している。また、このことにより、わかりにくいことがある半面で、わかりやすいことも…

史記を読んでいて7

最近、史記のうちで、漢の創建時代をほぼ読み終わった。司馬遼太郎の「項羽と劉邦」は学生時代に読んだ数少ない小説のうちの一つである。とても面白かったし、相当熱心に読んだので、ところどころ覚えている。ちなみに、私は小説は滅多に読まなくて、読んだ…

史記を読んでいて6

最近は、史記の秦の始皇帝の辺りを読んでいるのだけど、いろいろと考えさせられる。 秦の始皇帝は、はっきり言って単なる独裁者のキチガイで、まともに生活していたら友だちや知り合いは一人もなく、家族にすら取り合ってもらえないほどの人だったと思われる…

史記を読んでいて5

史記を読んでいると、いろいろと残念なことがある。 というのも、君主が交代することや、君主があまりにも愚かであったり、君主や他の重臣の保身のためであったり、それらの人が賢者や能力者を妬むことにより、功績を挙げていた賢臣が退けられてしまうことが…

史記を読んでいて3

史記を読んでいて、うんざりしてきた。 というのも、戦争の原因がいつも、愛憎劇であるからだ。 あいつがおれのおやじを殺したから、戦争で復讐する。 あいつはおれの女を取ったから、戦争で復讐する。 あいつはおれの一族を殺したから、戦争で復讐する。 人…

史記を読んでいて2

史記を読んでいていろいろと思った。 まず、最も特筆すべきとは、周の文王や武王や周公がいかに偉大であったか、ということである。 今はまだ春秋の五覇の所の途中なのだけど、誰も周と同じこと、つまり中華統一を為し得ることができない。これに対して、周…

史記を読んでいて1

最近、徳間書店の「史記」を図書館で借りてきて読んでいる。三冊も抄訳を読んだ後なので、満を持してという感じである。これに加えて、そもそも私は、漢籍に親しんでいるから、出てくる人物とかも大体知っているわけである。 それで、この「史記」は、本文構…

古代ギリシアの同性愛について

どうしても、この同性愛にていてのことが、納得いかないというか、気になると言うか、のため、これに関する私なりの考察をここに記しておきたいと思う。 まず、私が読んだソクラテス関係の本からして、モノホンの同性愛者かバイセクシャルだったと思われる人…

フランス史を勉強して

フランス史についても勉強した。 (2012.1ごろ) フランスの特色は、やっぱり「アンシャンレジーム」ではないか。このアンシャンレジームは、想像することが非常に難しい。何故かと言うに、複雑であるからだ。でも、敢えて一言で表現すると、「国家と民の間…

李牧について

週刊ヤングジャンプで連載されているキングダムというマンガは面白い。始皇帝が春秋戦国時代を統一する辺りの歴史が、戦争を通して描かれている。主人公は、信という少年で、後の李信将軍と思われる。 http://youngjump.jp/manga/kingdom/ このマンガの中で…

歴史を何かに例えると

水面の波と言えるような気がする。 何かどこかで以前読んだような記憶もするけど、一か月ほど前、世界史のオーディオブックを聞いていたときにそう思った。 池か水溜りのような静かな水面を想像していただきたい。 この水面と水は清らかで美しく、透き通って…

世界史的文化圏について

今、世界史についてのオーディオブックを聞いているのだけど、この速さで世界史を学んでいると、世界史的文化圏というような、巨視的なものが見えてくる。 かなり大ざっぱだが、世界の歴史に大きく影響を与えた文化は、大きくこのような文化圏に分けられるの…

現在の民主制の不完全性について

今、図書館で借りてきた詳説世界史というオーディオブックを聞いているのだけど、それの古代ギリシアについての話の所で、おかしなことに気が付いた。 アテナは、民主制であったが故に強かったと言った、その直後に、指導者のペリクレスを失ったことにより政…

ヨーロッパ人のローマ史観について

今、アダムスミスの道徳感情論を読んでいると、ローマ史からの例えが多いことに驚く。もちろん、われわれ日本人からすると、全くもってマニアックとしか言えないことばかりである。 歴史を研究する上で、ローマ史というのはとても重要と思う。ヨーロッパの歴…

ヘロドトス歴史を読んでいて2 〜人類の総意としての美徳選択〜

今日、ヘロドトス「歴史」の第一巻を読み終わった。かなり面白い。 「歴史」は、主に、戦争についてのことが書かれているのだけど、時折、その民族の風俗が書かれている。これがなかなか面白い。かなり良い歴史資料だと思う。 これはちょっと大げさだろ。と…

ヘロドトス「歴史」を読んで1

岩波文庫版のヘロドトス「歴史」を読んでいる。今、上の120ページまで読んだ。かなり面白い。そこらの二流小説を読むくらいなら、これを読んだ方がはるかに有益だし、受け得る享楽も甚だ大きいだろう。(小説はほとんど読んだことないけど) ヘロドトスの歴…

土地と歴史

ロシア、イギリス、フランス、アメリカ、ドイツ、スペインと歴史の勉強をしてきて、いろいろなことが分かってきた。 私の考えにおいて、歴史とは、全て土地に由来している。というか、各国の歴史の相違を秩序つけることのできる違いはそれしかないからである…

教育の歴史はとても浅い

最近、各国史を勉強していて、このことを痛感して思い始めた。 世界各国で、教育が歴史の表舞台に出るのは、たったの100〜200年前のことだ。エジプト古代文明が紀元前4000年から花開いていたことから考えると、人間が文明を持ち始めて6000年の…

アメリカ史を勉強して

アメリカ史自体から、何かアメリカの強さの秘訣みたいなのを明確に読み取ることはできなかった。 ただ、言えることは、安全保障上アメリカが非常に有利な場所(太平洋と大西洋で他の列強国と空間的に離れていること)にあることが、第一次大戦、第二次大戦で…

イギリス(ブリテン)史を勉強して

イギリスの歴史はひとつは王家の血筋の歴史である。また、イングランド、スコットランド、ウェールズの歴史である。そして、カトリック(正教徒)とプロテスタント(国教徒)の歴史である。(貴族)議会の歴史とも言える。栄誉のための戦争の歴史でもある。 …

ロシア史を勉強して〜私にとっての新たな歴史観〜

2冊のロシア史の本を参考にして、随時、自分の考えをまとめたものです。 ロシア史を勉強していて、普通に歴史を知ることが面白いと思った。なんでこんな面白いことにもっと早く気付かなかったんだろう。とか思った。まあ、この前読んだ「近代ヨーロッパ史」…

その時、歴史は動いた!女性大物政治家が現れるとき

「時代の大きな転換期には政治的に地位の高い女性が現れるのではないか」ヨーロッパ近代史を読んでいてそう思った。 この時代は言うまでもなく、民主主義と封建主義の境目の時代である。そして、その時代には、ロシアには女帝エカテリーナ、オーストリアには…

産業革命は終わっていない

この前読んだ近代ヨーロッパ史(これを私は絶賛しているのだけど)に、面白いことが書かれていた。まだ記していないので、忘れないうちに記しておこうと思う。 それはどのようなものか、一言で言ってしまうと、「超長大歴史観点」だ。これには驚いた。世界史…

日の本の国、日本

昨日、日本に関する推測をしていたら、現在日本があって、それが一応民族として独立し、世界でもそれなりに優位に立っているのは、聖徳太子に全ての発端があるのではないか?という結論に至った。 もちろん、地理的条件もある。グーグルアースで地球儀として…