2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

186.荀子 現代語訳 大略二十七 一〜五

大略篇第二十七※大略はその字の通り、「大まかに略す」という意味である。この部分に関しては「荀子の弟子や後学がまとめたものであろう」ということで、学者の意見も一致している。内容としても今までの部分の抜粋や、その他実例集といったものになっている…

185.荀子 現代語訳 賦第二十六 五・六章

五章 ここに物があります。 山中に生じて 室内に処し 知なく功なくも 善く衣服を治め 掠め取り 盗むわけでないのに かがみうがって進み 昼も夜も 離れているものを 合わせて 綾模様に飾り その功績 甚だ広きも その賢良は見えず 時が来て 用いられれば 存す…

184.荀子 現代語訳 賦第二十六 三・四章

三章 ここに物があります。 動かずば あまねく居りて 定まりて 低きを極めて しかも離れず 動くとき 高きを極めて あな巨大なり まろきは 円を描き 方なるもの 枡を描きて かの大なること 天地にも並び その徳は 堯・禹より厚し 精密緻密 毛よりも細やか 充…

183.荀子 現代語訳 賦第二十六 一・ニ章

一章 ここに大物があります。 生糸でもなく 絹糸でもなく その綾模様 規則正しく美しく 日にあらず 月にあらず その明るさは 天下を照らす 生きる者は 幸福に生かされ 死んだ者は 安らかに葬られ 城の壁は固く 三軍は強く 純粋に保てば王者となり 混じりて保…

182.荀子 現代語訳 成相第二十五 五章

五章 お願いだから、ものごとにしっかりと向き合ってそれを受け入れ、治の方向性についての言葉を言って欲しい。 君主たるの道筋は五つあり、これは簡約で簡明なものである。君主が謹慎してこれを守れば、下民衆も皆な平らかで正しくなり、すなわち国も盛ん…

経済成長神話の終わりを読んで

経済成長神話の終わり 減成長と日本の希望 (講談社現代新書)作者: アンドリュー.J・サター,中村起子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/03/16メディア: 新書 クリック: 10回この商品を含むブログ (8件) を見るこの本で一貫していることは、「GDPの数値に踊…

181.荀子 現代語訳 成相第二十五 四章

四章 言葉を連ねさせてほしい。 世が乱れて善が忌み嫌われても、これを治めようともせず、過ちを隠しては賢者を病気のように扱い、いつまでたっても詐りごととこすずるいやり方を用いていれば、災いが少ないというわけにはいかない。これは患難以外の何物で…

180.荀子 現代語訳 成相第二十五 三章

三章 お願いだから、聖王の道にしっかりと向き合って、それを受け入れて欲しい。 堯と舜は、賢者を尊んで自ずから天子の位を譲り、許由と善巻は義を重んじて利を軽んじた。彼らは、堯や舜が位を譲ったのであるがそれを拒んでおり、その行いははっきりとした…

179.荀子 現代語訳 成相第二十五 二章

二章 お願いだから、物事にしっかりと向き合ってそれを受け入れ、治法という方向について弁えて欲しい。至治の極みとは後王に帰ることである。慎到・墨テキ・李子・恵施など、百家の説は誠に詳しいものとは言えないし良いものでもない。治とは後王に帰ること…

178.荀子 現代語訳 成相第二十五 一章

成相篇第二十五 ※成は、成功、成就という言葉があるように、何かが成し遂げられることである。また、相は、木と目が合わせられた漢字で、漢和辞典を調べてみると、(木目)でも(目木)でも同じ意味である。だから、目で木をはっきりと捉え、相い対すること…

177.荀子 現代語訳 君子第二十四 四章

四章 論議が、聖王の法に則れば貴いことを知ることができ、義によって事を制定すれば利のあるところを知ることができる。その道筋を議論するとき、貴いところがあることを知っていれば、養うべきところをも知ることができる。また、事に当たって、利とすべき…

176.荀子 現代語訳 君子第二十四 三章

三章 もとより、刑罰が罪に対して相応なものであるならばそこには威があるが、罪と刑罰がちぐはぐとなれば侮られることとなる。爵祿が賢さに対して相応なものであるなら貴ばれるのであるが、爵祿と賢さがちぐはぐであれば賤しまれることとなる。 昔は、刑罰…

175.荀子 現代語訳 君子第二十四 一・二章

一章 天子に、対等な立場である妻がおらず、后(后は後れるという意味がある)しかいないのは、人として匹敵する者が居ないことを示している。 四海のうちで、天子を客として迎える客礼がないのは、天子が唯一無二で最高の存在であるから、客として迎える者…

174.荀子 現代語訳 性悪第二十三 七〜十章

七章 堯が舜に、人の情とはどんなものか、と問うた。 舜が答えて言うには、人の情は甚だよろしくないものです。また、どうしてこんなわかりきったことをお尋ねになるのでしょうか。 人は、妻子を得ればそちらに気を取られて親への孝行をおろそかにし、物欲が…

173.荀子 現代語訳 性悪第二十三 六章

六章 道端の普通の人でも禹(伝説的な王)となれるとはどういったことか。 答えて、そもそも禹が禹である理由は、仁義法正を修めているからである。そうであるのならば、仁義法正には、それをしっかりやるための道理がある。そしてまた、道端の普通の人全て…

物語 現代経済学―多様な経済思想の世界へを読んで

物語 現代経済学―多様な経済思想の世界へ (中公新書)作者: 根井雅弘出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2006/07/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (10件) を見る良い本であったと思う。 経済学者は馬鹿が多い(バカの語源は…

現代の金融入門を読んで

現代の金融入門新版 (ちくま新書) [ 池尾和人 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 新書 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 928円金融について、全体が網羅的に書かれていたと思う。思うというのは、私は金融の概括を全て知っているわけでは…

172.荀子 現代語訳 性悪第二十三 五章

五章 質問者は尋ねた。礼義積偽というものは人の性以外の何物でもなく、そのために、聖人はこれをうまく生じることができたのだ、と。 これに答えて、それはそうではない。かの陶工は、土をこねて瓦を生み出す。そうであるならば、土を瓦とすることが陶工の…

171.荀子 現代語訳 性悪第二十三 四章

四章 孟子は人の性が善であると言う。これに答えて言うと、これは間違っている。そもそも、古今天下において、いわゆる善とは正理平治のことである。そして、いわゆる悪とは偏険悖乱である。これが善と悪の区別である。 今、本当に、人の性がそもそも正理平…

170.荀子 現代語訳 性悪第二十三 三章

三章 そもそも、人が善をなそうとするのは、その性が悪であるからだ。薄いものは厚くなりたいと願い、狭いものは広くなりたいと願い、貧しいものは富みたいと願い、賤しいものは貴くなりたいと願い、かりそめにも中(偏っていないこと)にないことを自覚して…

169.荀子 現代語訳 性悪第二十三 二章

二章 質問者は尋ねた。人の性が悪であるならば、礼義はどのようにして生まれたのでしょうか。 これに答えて、そもそも礼儀というものは、聖人の偽(作為)から生まれたのであり、本人の性から生まれたわけではないのだ。 なぜなら、陶工は泥をこねて瓦を作る…

177.荀子 現代語訳 成相第二十五 一章

成相篇第二十五 ※成は、成功、成就という言葉があるように、何かが成し遂げられることである。また、相は、木と目が合わせられた漢字で、漢和辞典を調べてみると、(木目)でも(目木)でも同じ意味である。だから、目で木をはっきりと捉え、相い対すること…

168.荀子 現代語訳 性悪第二十三 一章-後

孟子は、人が学ぶのは、その性が善であるからだと言うけれども、これはそうではない。この考え方は、人の性を知ることができずに、人の性と偽との分別について詳察していないものだと言える。 そもそも、性というものは、天から帰せられたものであり、学ぶこ…

167.荀子 現代語訳 性悪第二十三 一章-前

性悪第二十三 一章 人の性(生まれ持っての性質)は悪なのであって善というものは人の為すものである。(●人の性は悪にしてその善なる者は偽なり。) 今、人の性は生まれながらにして利を好むところがある。そして人はこの性に従う。だから、争奪が生じて辞…