2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

162.荀子 現代語訳 正名第二十二 三章

三章 侮られても辱めを受けたというわけでないとか、聖人は己を愛していないとか、盗人を殺すことは人を殺すことでないといったような理論は、これは名を用いることに迷って名を乱すものである。こういいったもののためには、名のある理由に照らし合わせて、…

161.荀子 現代語訳 正名第二十二 二章-後

そうであるならば、何によって名を異同するのか。 答えて、名は天官(天から与えられた自然に備わっている感覚器官)によって異同する。そもそも、種類も同じで感情も同じものは、天官が物を意に介してはかることも同じとなり、だから、疑わしく似ているもの…

160.荀子 現代語訳 正名篇第二十二 二章-前

二章 王者が名を制定すれば、名が定まり実際に弁論が行われ、道が行われて志が通じ、そのようにして慎重に民衆を率いて一つにする。 こうすることができれば、言葉を分析して自分勝手に正名を乱し、民衆を疑惑させて人に弁論と言い争いを多くさせることが、…

荀子解題 現代語訳

青空文庫に荀子解題というものがある。 恐らく、戦前の学者が書いたものではないかと思うが、wikiやその他の記述とも食い違いが見られ、現在の研究ではだいぶ変わっているかもしれない。荀子に興味のある方の参考になればと思う。 http://www.aozora.gr.jp/c…

大便の便と不便の便

この「大便の便と不便の便」という言葉は、荀子の議兵編にある言葉である。 中国初の帝国を作り上げた始皇帝の名宰相である李斯と荀子の対話の中で、荀子が言う言葉である。もしかしたら、地位を得て絶頂のときの李斯が、師である荀子のところを訪れて、こん…

特定秘密保護法案について

この法案がどんなもんなのか、詳しくは知らない。 ネットではわりと反対の声が多く上がっているように感じるのだが、政治に関心のない一般的な人はどのように感じているのだろうか? この前、テレビでの報道を見たけれど、このことについては、テレビの報道…

境地

人間には防衛本能が備わっている。 正確に言えば、その防衛本能は生を愛する性情から生まれる。 性情についてさらに正確に言えば、性は生まれ備わったものであり、生きていることによってまわりの環境に和合するために自然とそうなっているもののことである…

荀子 抄 儒効第八

荀子 抄 儒効第八 儒効第八 52.一章 ●是れ変勢次序の節の然らしめしなり 53.二章 ●勢の人の上に在れば則ち王公たるの人材なり、人の下に在れば則ち社稷の臣・国君の宝なり ●窮巷漏屋に隠ると雖も、人のこれを貴ばざる莫きは、道の誠にここに存すればなり ●其…

荀子 抄 仲尼第七

荀子 抄 仲尼第七 47.一章-前 ●仲尼の門にては五尺の豎子も言うに五覇を称することを羞じたり 48.-後 ●彼の王者は即ち然らず。賢を致して能く以て不肖を救い、強を致して以て弱きに寛(ゆる)くし、戦えば必ず殆うくせんも而もこれと闘うことを羞じ、委然と…

「知」と「賢」の違いについて

荀子を読んでいると、「知」と「賢」とが別概念として扱われていることがよく分かる。(これに付け加えて、荀子が人を評価する基準は、「知」でなくて、「賢」と「能」である。そして、賢者には位を授けて、能者には役職を割り当てるとなっている。) 知者と…