2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

28.荀子 現代語訳 栄辱第四 七章

七章 天が人類を生み出したときから、どのようにしてどのようなものが得られるのか、という法則は決定している。(●それ天の蒸民を生ずるや、各々その取る所以を有らしむ) 志と心がちょうど良いところに修められていて、徳行もちょうど良いところが厚く行わ…

27.荀子 現代語訳 栄辱第四 六章

六章 栄辱の大分と安危利害の常体について。 義を先にして利を後にする者には栄があり、利を先にして義を後にする者に辱がある。栄者は常にものごとが滞りなく進む(通である)が、辱者は常に行き詰っている(窮である)。通者は常に人を制しているけれど、…

26.荀子 現代語訳 栄辱第四 四・五章

四章 犬猪の勇というものがあり、商人盗人の勇というものがあり、小人の勇というものがあり、士君子の勇というものがある。(●クテイの勇なる者あり、賈盗の勇なる者あり、小人の勇なる者あり、士君子の勇なる者あり) 飲食を争って恥じらうことなく、物事の…

25.荀子 現代語訳 栄辱第四 三章

三章 争いごとをする者は、自分の体のことを忘れてしまった者であり、自分の親しい人のことを忘れてしまった者であり、自分の置かれている立場のことを忘れてしまった者である。(●あらそう者は其の身を忘るる者なり、其の親を忘るる者なり、其の君を忘るる…

24.荀子 現代語訳 栄辱第四 一・二章

栄辱第四 一章 おごり高ぶりと居直りは人に災いをもたらし、慎み深さとつづましやかさはどんな武器をも退ける。槍や矛のするどさも恭倹のするどさには及ばない。(●驕泰は人の殃なり。恭倹は五兵をもしりぞく。戈矛の利有りと雖も恭倹の利に如かざるなり) …

23.荀子 現代語訳 不苟第三 十二〜十四章

十二章 公平で私偏しないならば正しく見ることが生まれ、何かに偏るのならばまわりが見えなくなる。正直で素直なことは物事への迅速的確な対応につながり、欺きと偽りは全ての窮迫と閉塞につながる。真心とお互いを信じる気持ちは絶妙な働きを生じて、見栄や…

22.荀子 現代語訳 不苟第三 十一章

十一章 通士なる者がいる。公士なる者がいる。直士なる者がいる。愨士(コク)なる者が居る。小人なる者がいる。(●通士なる者あり、公士なる者あり、愨士なる者あり、小人なる者あり) 上は君を尊んでいて下は民衆を愛し、事物の変動によく応じて何か事が起…

空を理解する方法について

「空を理解する方法」でその表現が正しいのかどうかわからないけれど、というのも、私が空と思っているものが空であるのか、それを実証することができないからである。 あと、私自身のものの理解の仕方も影響している。 私は、理論型のようであるけれど、実…

21.荀子 現代語訳 不苟第三 十章

十章 君子は、位が尊くなっても常に恭しくすることを忘れず、心を用いることは小さくてもその行われる道は大きく、実際に聴いたり視たりすることは卑近なことばかりであるけれど、聞こえたり見えたりするところははるか遠いところにまで及ぶ。 これはいった…

20.荀子 現代語訳 不苟第三 九章

九章 君子が心を養うとき、誠より善いものはない。誠を致すためには、他の事などない。ただ仁のみを守り、義のみを行うのだ。(●君子、心を養うには、誠より善きは莫し。誠を致すには則ち他事なし。唯仁のみを守と為し唯義のみを行と為すべし) 誠心で仁を守…

19.荀子 現代語訳 不苟第三 七・八章

七章 君子は治を治めて、乱を治めるわけではない。とはどういった意味なのか。これに答えると、礼義を治と言って、礼義でないことを乱と言う。だから、君子は礼義を治める者なのである。礼義でないものを治める者ではない。(●礼義を治と謂い、礼義に非ざる…

18.荀子 現代語訳 不苟第三 六章

六章 君子は小人の反対である。(●君子は小人の反なり) 君子は、大きな心があるのなら天を敬うことで生まれる道があり、小心ならば義に反することを畏れて行動にけじめがある。賢ければ何にでも明るく通じて細かいことにもよく合し、愚かであっても素直で正…

思慮とは何か

ソクラテスの思い出によると、ソクラテスは、その弟子(友人)達に、「思慮深くあること」を特に勧めたそうである。 そこで、思慮とは何か?ということなのである。 私が思うに、思慮とは、「遠くに思いを致すこと」であると思う。思いという表現を使ったの…

17.荀子 現代語訳 不苟第三 三〜五章

三章 君子は能力があってもそれはそれで好ましく、能力がなくてもそれはそれで好ましい。小人は能力が有ればそれはそれで醜く、能力がなくてもそれはそれで醜い。(●君子は能あるも亦た好く不能なるもまた好し) 君子に能力があるならば、寛容さをもって簡素…

アリストテレス弁論術を読んでいて3

日本人はほんとにレトリケーが下手だなと思った。 アリストテレスによると、弁論術と弁証術はほぼ同じもので、そうすると、弁証術における帰納は弁論の例証に、弁証術における推論(演繹)は弁論の説得推論に当たる。ということなのだけど、帰納と推論(演繹…

アリストテレスの弁論術を読んでいて2

ついにこの時が来てしまった。 仏典を漢字で理解できる弊害と、 易を独学できる環境の悪さと、 孫子を文学的にも高い価値があると知れる悪影響が! つまり、アリストテレスのオルガノン(恐らく西洋では相当に有名な古典)がない!ということである。 多分、…

アリストテレスの弁論術を読んでいて1

最近、アリストテレスの弁論術(岩波文庫)を読んでいるけれど、恐ろしく明晰だなぁと思う。 これも、いろいろな人の役に立ちそうだから、自分の学習も兼ねて要約というかを作ろうかなと考えている。 アリストテレスは、カテゴライズ化に優れていた人物だと…

16.荀子 現代語訳 不苟第三 一・二章

不苟第三(苟(いやし)くもせず:ただ〜〜というわけではない) 一章 君子は行いにただ難しいことを貴ばず、言論にただ奥深いことを貴ばず、名にただ伝わることだけを貴ばず、ただその当たることのみを貴いものとする。(●君子は、行いに苟も難きことを貴ば…

15.荀子 現代語訳 修身第二 十二〜十四章

十二章 老人を老人として敬えば壮年の人もなついて集まり、困窮している人を困窮している人として無理させないならば困窮していない人もここに寄り集まり、地道で目立たない行いで報われないものやことに施すなら賢者も愚者も一つここに集まる。(ここは二重…

14.荀子 現代語訳 修身第二 九〜十一章

九章 法則を好んで行うならば士である。志を厚くして法則を身につけるなら君子である。法則が常に等しく明らかにして無尽であるなら聖人である。(●方を好んで行うは士なり。志を篤くして体するは君子なり。斉明にして尽きざるは聖人なり) 人に法則がないの…

13.荀子 現代語訳 修身第二 八章

八章 彼の駿馬は一日で千里の道を行くことができるのだけど、駄馬でも十駕すればこれに及ぶことができる。 それとも、窮まるところの無いその先を窮め、極まることの無いその先を追ってでもいるのか。 もしそうならば、骨が折れて筋が絶たれたとしても死ぬま…

今朝のニュースでアベノミクスが非難されていたが

今朝のワイドショー的なニュースで、アベノミクスが早速非難されていた。 私は、アベノミクスの効果は出ないと推測しているのだけど、それでも嫌気がさした。 なぜアベノミクスがの効果が出ないと思っているかは、長くなるので詳しく説明するのはやめておく…

12.荀子 現代語訳 修身第二 五〜七章

五章 志と思いが定まっているのならば富貴にさえ驕り、道義の重さを感じることができていれば王公さえ軽んずる。それは、内を省みて外の物と比べた時、外のものが軽いからである。(●志意の脩まれば則ち富貴にも驕り、道義の重ければ王公をも軽んず。内に省…

最近の研究成果と今後の展望

自分が何をしたいのかの説明と、その経過報告的なもの。 そもそも、最初、私は今の社会が、何かしらおかしい、それは特に「正直者が苦しめられている」点において、そう思い始めた。 論語などを読んでいた影響か、不可知的なものの影響かわからないけれど、…

11.荀子 現代語訳 修身第二 四章

四章 気を修めて心を養う術。 血気が盛んで剛強(血気剛強)ならばこれを柔らげるために調和を用い、 智慮が深くて細かい分野に陥ってしまう(智慮漸深)ならこれを一にするために易良を用い、 勇気と胆力があって猛々しく意地っ張りである(勇胆猛戻)なら…

10.荀子 現代語訳 修身第二 二・三章

二章 いつでもどこでも善なる法度。 気を治めて養えば「きんさん・ぎんさん」よりも長生きでき、身を修めて励むのなら名は堯・兎にも匹敵し、順境に居てもよろしく、逆境に居ても利がある。礼とはまことにこう言ったものである。 おおよそ血気・志気・智慮を…

9.荀子 現代語訳 修身第二 一章

修身第二(修は本当は脩:ほしにくなど、そこから転じてすらっとした様:smart) 善を見るときはその良さを認めて必ず自身を省察し、不善を見るときはそれを憐れみ悲しんで必ず自身を省み、善が自身にある時は堂々として必ずそれが自身にあることを好み、不善…

8.荀子 現代語訳 勧学第一 九章

九章 百発に一発でも矢が的から外れるのなら、それは善い弓引きとは言えない。千里の道にわずか半歩だけ及ばなくても、それでは善い御者とは言えない。倫理道徳に通じないで、全てを仁義に帰することができないならば、善い学者ということはできない。 学問…

7.荀子 現代語訳 勧学第一 八章

八章 間の悪い者には答えてはならない。答えの悪い者には問うてはならない。説明するのが下手な者には聴いてはならない。争気(負けん気)のある者とは弁論してはならない。だから、必ず、その道に従っていて、その道に合致しいて、そうしてはじめてその人と…

絵本原作1 くらやみ君

前から温めていた絵本になるといいんじゃないかという原作 誰か絵をつけてくれんかなぁ 場面1 いす君「あ〜、今日もあのでっかいおじさんがぼくの上に座るのか〜、いやだな〜、ぼくはオシャレな椅子だから、オシャレなお姉さんに座ってもらいたいんだ」 場…