2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

パイドンを読んでいて2

今日、パイドンを読んでいたら、シミアス(死見明日:偶然このように変換されたが、パイドンの内容に即している。この音が似ていることも偶然なのか、それとも必然なのか)とケベス(こちらは卦べすと変換された:卦べき、卦すとすればパイドンの内容にこじ…

知り過ぎないこと

この前、大学、中庸(これは今は途中だが)と読んで、「至善」(しいぜん)について、思うところがあった。というのも、至善とは止まることであるからである。以前は、そんな特に「智」と言うことについて、止まる必要などないほどに未熟だったのではあるけ…

25.学問のすすめ 現代語訳 六編 第一・二段落

六編 第一段落 国法の貴きを論ず 政府は国民の代表で、国民の思うところに従って事をなすものである。その職分(務め)は罪のある者を取り押さえて、罪のない者を保護することに他ならない。これがすなわち国民の思っていることで、これさえしっかりと行われ…

24.学問のすすめ 現代語訳 五編 第八・九段落

第八段落 今まで論じたことによって考えてみると、国の文明は上政府から起こるものではないし、かと言って下人民から生ずるものでもない。必ずその中間から興って皆の向かうべきところを示し、政府と並び立ってから、そうして始めて成功を期することができる…

パイドンを読んで1 プラトンの死生観は仏教に近い

今日、プラトンのパイドンを読み始めた。 普通に面白い。 ちなみに昨日までは、孟子を読み終わって、大学、中庸と読んでいた。 プラトンの作品は、ソクラテスの言行録でなくて、プラトンがソクラテスにしゃべらせているだけだ。などといったいろいろな学説が…

23.学問のすすめ 現代語訳 五編 第七段落

第七段落 そもそも我が国の人民に気力が無いことの原因を考えてみると、数千百年の昔から、政府が全国の権柄を一手に握って、武備文学から工業商売に至るまで、また、社会の細かい事務までも、政府の関わらないものはなく、人民はただ政府がこうせよというと…

22.学問のすすめ 現代語訳 五編 第一〜六段落

五編 第一段落 学問のすすめは、もとは民間の読本か、義務教育の教科書として書いたものであるから、初編から二編三編はなるべく一般的な話し言葉を使って文章を読みやすくすること第一としていたのだけど、四編では少し文体を改めて難しい言葉を用いたとこ…

誰もかれも批判の先を間違えている

民主主義なるものは、自身が自身を治めて、自身が自身の独立を保って、自身が自身に尊厳を持ち、そうして社会を形作っているものである。 思い通りに行かないこと、例えば、商売がうまくいかないことを、安易に政府の責に帰して、そうして彼ばかり批判するこ…

21.学問のすすめ 現代語訳 四編 第八段落・附録

第八段落 今まで論じてきたことの概要は、今の世の学者が、この国の独立を助け成そうとするにあたって、政府の範囲内で役人として事を行うのと、その範囲を脱して私立する場合との利害得失を述べて、私立の方に大きく味方したものである。 すべて世の中のこ…

20.学問のすすめ 現代語訳 四編 第七段落

第七段落 今まで述べたようなことが本当の事ならば、我が国の文明を進めてその独立を維持するためには、政府のみによってそれができるというわけでもなく、また今の洋学者流だけに頼っているだけでは足らず、必ず私自身に任ぜられるものであって、まず私が事…

米大統領選

ロイター調査:米大統領選、両候補の支持率に有意な差みられず http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89O06X20121025 あれ? おかしいな。 確かに、昼のNHKのニュースでは、ロムニー氏51%、オバマ氏49%(ABC放送調べ)と言っていたと思うんだけどな…

19.学問のすすめ 現代語訳 四篇 第六段落

第六段落 このように考えてみると、これから我が国の文明を進めるためには、まず人心にすっかり染みついているかの気風を一掃しなければならい。これを一掃することは、政府の命令では難しいし、個人的な論説を用いても難しい、必ず人に先だち個人的に何かの…

18.学問のすすめ 現代語訳 四編 第五段落

第五段落 このように言う人もあるかもしれない。政府はしばらくの間だけ一時の術策を用いて、人民の智徳が進むのを待ってから、人民自身によって文明の域に入るらせるようにすればいいのだと。この説は言うことはできるけれども行うことはできない。 われら…

17.学問のすすめ 現代語訳 四編 第二・三・四段落

第二段落 何かを維持するためには力の平均というものが必要である。たとえば、人の体のようなものだ。体を健康に保とうと思うと、食べたり飲んだりしないとならないし、空気と太陽の光が必要であるし、暑い寒い痛いかゆいというような外からの刺激があって、…

16.学問のすすめ 現代語訳 四編 第一段落

四編 第一段落学者の職分を論ず 最近、識者の意見を聞いていると、 今後日本の盛衰は、簡単には察することはできないとはいえ、今の独立の地位を失うような憂き目にあうことは到底ないであろうし、このごろ目撃しているところの勢いによって進歩すれば、必ず…

15.福沢諭吉 学問のすすめ 現代語訳 三篇 第五・六・七段落

第五段落 第二条 内に居て独立の地位を得ることができないものは、外に在って外国人と接するときもまた、独立の権義を発揮することはできない。 独立の気力がない人は必ず人に頼る、人に頼る人は必ず人を恐れる、そして人を恐れる人は必ず人に諂(へつら)う…

14.学問のすすめ 現代語訳 三篇 第三・四段落

第三段落 このような次第であるから、外国から我が国を守ろうとするならば、自由独立の気風を全国に充満させて、国中の人々に貴賤上下の区別もなくし、その国は自分の国であると各自が自分の身に引き受けて、智者も愚者も目が見開いている人もそうでない人も…

フランス史を勉強して

フランス史についても勉強した。 (2012.1ごろ) フランスの特色は、やっぱり「アンシャンレジーム」ではないか。このアンシャンレジームは、想像することが非常に難しい。何故かと言うに、複雑であるからだ。でも、敢えて一言で表現すると、「国家と民の間…

13.学問のすすめ 三編 第二段落

第二段落 一身独立して一国独立すること 前に述べたように、国と国とは同等であるのだけど、国中の人民に独立の気力がないときは一国の権義を思う存分発揮することはできない。その次第は次の三カ条である。 第一条 独立の気力なき者は、国を思うこと深切な…

12.学問のすすめ 現代語訳 三編 第一段落

三篇 第一段落 国は同等なること おおよそ、人という名さえあれば、富んでいても貧しくても、強くても弱くても、人民でも政府でも、その権利(権義)において異なることがないということは、第二編に記したところである。(二編にある権理通義の四文字を略し…

孟子を読んでいて4

孟子を読んでいると、五年前に比べて、自分が随分成長したな。と思う。というのも、そのときは恐らく理解できていなかったことも理解できていることが分かるからである。 孟子の中にこういった言葉がある。(いろいろな所のを合体させてます) 「あなたは、…

11.学問のすすめ 現代語訳 二編 第五・六段落

二編 第五段落 このような悪い風習ができた理由を考えてみると、その根本は、人間は同等であるという大事な基本を誤って、貧富強弱と言った有様を悪い道具に使い、政府や富強という勢いでもって貧弱な人民の権利通義というものを妨げているということになる…

10.学問のすすめ 現代語訳 二編 第三・第四段落

二編 第三段落 今まで述べた議論を世の中のことに当てはめてみる。すると、旧幕府の時代には、士(侍)とその他の民との身分の差が甚だしくて、士族はみだりに権威を振って、百姓や町人への扱いはまるで罪人を扱うかのようであり、「切り捨て御免」という法…

9.学問のすすめ 現代語訳 二編 第二段落

二編 第二段落 こういったように人は同じく天から造られたものであるのだから、人と人とを比べてみればこれは全て同等であると言える。ただし、その同等とは有様が同じであることを言うのではない、権利通義が同じであると言っているのだ。 その有様を論ずる…

8.福沢諭吉 学問のすすめ 現代語訳 二編 第一段落

二編 第一段落 人は同等なる事 初編のはじめに、人は万人が同じ身分で生まれたからには上下の差別といったものはなく自由自在云々とある。今、この意味を押し広めて述べようと思う。 人が生まれることは天によってだけ決まることで、人の力ではどうすること…

7.福沢諭吉 学問のすすめ 現代語訳 二編 端書

二編 端書 学問という言葉は広くて、無形の学問もあれば、有形の学問もある。心学、神学、理学などは形の無い学問である。天文、地理、究理、化学などは形のある学問である。 また、学問と言われるものは全て、知識や見聞の領域を広め物事の道理をわきまえ、…

孟子を読んでいて2

最近は、学問のすすめと並行して、孟子を読んでいる。 かなり面白い。 孟子も、何回も読む価値があると思う。さすが、四書に数えられるだけある。だが、孟子のあまりよろしくないところは、当時の作法とか、人物が例えに用いられているところで、たまにとい…

孟子を読んでいて3

現在、孟子を読んでいるのだけど、最近読んでいて特に思うのは、荀子が相当影響を受けていたのだなぁ。ということだ。 あと、孟子は、たまに私ですら論駁できるようなことを述べている。それは、孟子という書物は、孟子がしていた話を弟子が書物にしたという…

6.学問のすすめ 現代語訳 初編 第四段落-後半・端書

初編 第四段落-後半 こういったように、政府の良し悪しは人民の智か不智かにかかっているのだから、現在のわれらが日本でも、この人民あってのこの政治なのである。 だから、もしも、人民の徳義が今日よりも衰えてなお無学文盲に沈んでしまったのならば、政…

5.学問のすすめ 現代語訳 初編 第四段落-前半

初編 第四段落-前半 今までも述べた通り、人の一身も一国も、天の道理に基づいて不羈自由(不羈:しばりつけられないこと)であるからには、もしも、この一国の自由を妨げようとするものがあるならば世界万国を敵としても恐れるに足らず、この一身の自由を妨…