現代の金融入門を読んで

金融について、全体が網羅的に書かれていたと思う。思うというのは、私は金融の概括を全て知っているわけではないからである。

本としては、少し難しいと思う。というのも、金融でしか使わないような横文字が何度も出てくるし、さらに、その言葉について何の説明もないか、その言葉の説明の位置が不適切と思われる部分があると感じられたからである。経済に興味もなく、新聞もあまり読まず、予備知識が全くない人には少しきついと思う。

自分の所見としては、「金融が何であるのか」ということや、「金融と経済の違い」が分かった。

まず、金融とは、「時間」というファクター(要素)が大きく加味したものである。つまり、取引に、常に必ず「時間」が大きく関わってくる。例えば、定期預金とは、お金を預けて「○年後」に「○%」の利子が自分の手元に入る。という商品であり、そういった約束(契約)をするのであり、そういった取引である。こういったように、金融には、常に必ず時間が介されることになる。

次に、金融では、取引の対象が必ず「通貨、準通貨(お金、お金と常に互換性のあるもの)」となる。だから、時計の販売は時間に関するものではあるけど金融でないし、誰かが毎日遅刻して経済活動が阻害されてしまうことも金融とは言わない。「通貨、準通貨」が必ず対象になるのである。

最後に、金融は、「銀行(と証券会社)」といった金融機関(通貨、準通貨を大量に取り扱う所)が無ければ、絶対に成り立たない。これは例えると、水を集めるポンプがないと、水はけの悪い広大なグラウンドが水浸しになったとき、それをどうすることもできなくなるようなものである。グラウンドを有効に使うためには、水を集めて適切な所に送るためのポンプが必要である。この水が通貨と準通貨であり、ポンプが金融機関である。そして、ポンプの使い方や、ポンプの性能に関する議論が金融学ということになる。

あと、金融には、普通の人(金融に携わらない人)には理解できないような独特の考え方がある。それをうまく言葉で表現することはできないけれど、お金に対する考え方の違いから来るものであろうか、とにかく、そういった特殊なフィルターがあることは間違いない。金融を語る人は、このフィルターを既に持っていて、さらに、普通の人がこのフィルターを持っていないことに気が付いていないことが多いみたいである。だから、金融は分かりにくいと思われる。