物語 現代経済学―多様な経済思想の世界へを読んで
- 作者: 根井雅弘
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/07/01
- メディア: 新書
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良い本であったと思う。
経済学者は馬鹿が多い(バカの語源は、権力におもねって、馬のことを鹿であると言った故事が語源)と思っていたけれど、この著者の方はそうでない。専門的すぎて少しわかりにくく、物語という感じではなかったことは残念だ。
本の内容としては、マーシャル、ケインズ、サムエルソン、ガルブレイス、ハイエクなどの主張を時系列的に追った感じのものとなっている。私は、主流派経済学というのがどういったものかよくわからないのであるが、この人達は、当時の主流派経済学と一線を画して論を立てた人たちらしい。最後にはノーベル経済学賞を批判していて、実は、それはノーベル経済学「記念」賞でしかない、としている。
これらの有名な経済学者たち、実は、もう数十年〜百年以上も前から、現在の経済の欠陥と、起こるであろう致命的問題を既に見抜いていた。私が現在の経済に関しておかしいと思っていることのほとんどのことを、彼らはもう既に知っていたし、発表していた。しかし、それらの学説が埋もれたのは、それらの学説が流行らなかったからに他ならない。善い学説が世間に受け入れられるのではなくて、そのときに都合の良い学説を受け入れるのが世間なのだ。