その時、歴史は動いた!女性大物政治家が現れるとき

「時代の大きな転換期には政治的に地位の高い女性が現れるのではないか」ヨーロッパ近代史を読んでいてそう思った。

 この時代は言うまでもなく、民主主義と封建主義の境目の時代である。そして、その時代には、ロシアには女帝エカテリーナオーストリアにはマリアテレジア、イギリスではエリザベス一世、などの政治的に地位が高い女性が多いことに目がとまる。さらに、いずれも、政治的変革期の直前くらいに現れている。しかも、治世と謳わるような政治をしている。これには何らかの必然性があるのではないか。と思った。

 イギリスでは、昨今、鉄の女サッチャー首相の治世があったわけだが、このころにイギリスは、大英帝国的時代から、一島国的時代という一大転換が実質的に行われたのではないか。まあ、イギリスは、女系王朝でもあるので例外と言えるかもしれない。

 今現在に当てはめると、アメリカではクリントン国務長官、ドイツではメルケル首相、アフリカではノーベル平和賞を受賞した エレン・ジョンソン・サーリーフリベリア共和国)、レイマ・ボウィリベリア共和国)、タワックル・カルマンイエメン共和国)などの政治的に地位の高い女性の活動が目立つ。

 女性は男性よりも現実的であるから、ある意味では、時代の変化に敏感である。流行に流されやすいのもこの生理的な違いに起因していると思う。つまり、そういった、女性が政治の世界で活躍する時というのは、時代の動きがわりと早い時ではないかと思うのだ。時代の動きが早いから、比較的先入観で頭がガチガチになりやすい男性だと、その時代の動きについていけないのではないか。長期計画における実行力においては、男性はかなり優れている、しかし、これは逆に言うと長期展望が、時代の流れに対応していなかった時、全て外れるというデメリットもある。そうなってくると、そういった変革期の直前の時代に突入すれば、女性の考え方の方が有利であるとも言えるのだ。そして、その必要性に迫られて、政治的に地位の高い女性というのが必然的に現れてくるのではないか。イギリスが大英帝国として栄えていたのもちょうどその変革期(時代の流れが速い時)に女系の王が多かったからかもしれない。

 そういえば、扇国交相も、国交省没落の直前に大臣を歴任している。行政刷新もレンホウ議員だが、これも何らかの変革や没落の予兆かもしれない。あと、社会党の党首が昨今ずっと女性であることは、社会党の完全なる没落と全く関係ないとは言えないだろう。そのようにして、女性が必要とされる場合というのをしっかり観察するとなかなか面白いのではないかと思う。

 これら事例を少し一般的に考えてみる。まず、女性リーダーが独裁的になるか、折衝役的になるか、というのもひとつの分かれ目と言えよう。例えば、エリザベス女王は、独裁的な名君、マリアテレジアは、折衝役的な名君、明成皇后(閔妃)は独裁的な悪君といったように、4分類に類型すると少しわかりやすくなるだろう。女性リーダーが治世を実現した場合、折衝役的である場合が多く、独裁的なのは例外。女性リーダーが乱世をもたらした場合は、独裁的である場合が多く、折衝役的である場合は例外。と言えそうだ。

 女性と男性の違いで、客観的か感情的かということがしばしば問題になる。私は、正直なところ、客観と冷静を越えるものはないと思っている。客観と冷静は感情すらも支配し、読み切るのだから。あと、私は優秀な女性と言うのに一度も出会ったことがない。だから、今のように、女性の方が優れている何かがあるのだろうということを推測はできるが、それが具体的にどのようなものかは全く想像できない。そのときの気分で感情的に自分の意見を押し通したり、あるいは、自分の考えに反して簡単に妥協した判断をする。というのが女性だと思うからだ。そう考えてみると、自分より強いものに対して、男性よりも素直なのかもしれない。そのことによって、変化が大きいときでも、男性よりも簡単に、強に折れて、弱を挫く、ということができそうだ。そうだとすると、将来への展望がなくても、うまく強い方(時代の新しい流れ)を助長する折衝役となることができる。そう考えてみると面白いのではないか。

 一応最後に検証してみると、男性が、理性的で予定の実行に優れていて、女性は直感的感情的で予定のない場合でもうまく立ちまわれるとする。すると、明治維新などには、リーダー的女性が必要とされなかったわけだし、そういった意味で、予定が明確にあった革命と言えそうだ。これに対して、ヨーロッパでの革命は、女性リーダーが多く必要とされたわけだし、当時の啓蒙家たちの活躍の舞台は女性が主催のロビーだったという。そういった意味で、どちらに転んでもおかしくないような、模索の中での革命であったと言えそうだ。史実ともわりと適合するし、 我ながらこれはそこそこ正確な洞察と思う。

 それとともに、女性が実質的な発言権や社会的影響力を持ちだすと、社会に動乱や革命の起こる前兆ということかもしれない。