2014-01-01から1年間の記事一覧
堯問第三十二一章 堯は舜に質問した。「私は天下がこちらにやってくるようにしたいだ。どうしたらよいだろうか。」 答えて、「一を執り守って失わないようにして、微かなことを行って怠ることなく、裏表なくまごころを大切にして離れることがなければ、天下…
五章 魯の哀公が孔子に質問した。「紳の幅広の帯を着けて、委や章甫の冠には、人への利益があるのでしょうか。」 孔子は何を聞くのかといった表情で答えた。「あなたさまは、どうしてそんな質問をされるのですか。喪のときに着る資衰やそのときに用いる竹の…
三章 魯の哀公が、舜の冠について孔子に質問した。孔子は答えなかった。三回同じことを質問したのだけど、孔子は三回とも答えなかった。哀公が言った。「私が、舜の冠について先生に質問しているのに、どうしてお答えにならないのですか。」 孔子は答えて言…
哀公第三十一一章 魯の哀公が孔子に質問した。「私は、私の国の士達と議論をして、彼らと一緒に国を治めたいと思っています。敢えて問いますが、どうやったら、こういった士達を選び取ることができるでしょうか。」 孔子は答えた。「今の世に生まれているの…
五章 曾子は言った。「一緒に旅などをしていて愛されないのならば、必ず自分が不仁だからである。親交があるのに敬われないのは、必ず自分に優れたことがないからである。貨財のことになったとき信じられないのなら、必ず自分に不信な点があるからである。こ…
法行第三十一章 公輪は有名な細工職人であるけれど、定規に何か自分の細工を加えることはできない。それと同様に、聖人でも礼に何かを加えることはできない。礼というものは、皆がそれに則っていながら知ることなく、聖人はこれを自身の法としてしかもそれを…
五章 子路が孔子に質問して言った。「魯の大夫は、喪に入ってから一年後の練の祭りのあと、喪の間に使う質素な寝床でなく普通の寝床で寝るようになりますが、これは礼でしょうか。」 孔子は答えた。「私は知らない。」 子路は、孔子の所から退出すると子貢に…
子道第二十九一章 家に入れば孝(親を大事にして)、家から出れば弟(年長者や位の高い人に恭敬)であることは、人の行いのうちでも小行いというものだ。上に善で和して下にはその気配りが篤いならば、これは中行と言える。道に従って君主に従わず、義に従っ…
八章 孔子が南の楚に向かおうとして、陳と蔡の国境で苦しんだことがあった。七日間、火を通したものを食べることができず、野草の濃いスープに米を混ぜたものさえ口にできなくなり、弟子は皆な飢えた顔色だった。子路が進み出て言うには、「私はこのように聞…
集合知とは何か - ネット時代の「知」のゆくえ (中公新書)作者: 西垣通出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2013/02/22メディア: 新書 クリック: 18回この商品を含むブログ (26件) を見る良い本と思う。 「ネットはこうなる!」みたいなことを言って、ネッ…
四章 詩経にはこのようにある。「あの日月を見ていると 悠然とわたしは思う 道が遠いのなら どうしてこちらに来ることができようかと」孔子は言った。「頭を下げていれば どうして来ないことがあろうか」と。五章 孔子が東に流れている水を観ていた。子貢が…
三章 孔子が魯の司寇(法務大臣)となったとき、父と子がお互いを訴えるということがあった。孔子はこの二人を三ヶ月の間、同じ所に拘留した。すると、父の方が訴えを取り下げたいと申し出てきた。そして、孔子はこの二人を許した。季孫(魯の実力者)は、こ…
宥坐第二十八一章 孔子が魯の桓公の霊廟を配管した時、傾いた器があった。孔子が、霊廟を守っている人に「これは何の器ですか」と尋ねると、その人は、「これは恐らく宥坐という器でしょう」と答えた。 孔子は、「私は、宥坐の器とは、何も入っていないとき…
七十二 知者とはものごとに明らかで理論的に答えを導くことに長けている。不誠実な付き合いをしてはならない。だから言うのだ、「君子は説ばしめ難し」と。君子を喜ばせるためには、道に依拠しなければ喜ばすことなどできない。また、こういった言葉がある。…
六十三 君子が好む人とは、その人である。その人であるのに教えないのなら、それは不祥というものだ。君子でない人が好む人とは、その人ではない。その人でないのに学問を教えれば、それは例えば盗賊に穀物を贈り、逆賊の人に兵を貸すようなものである。六十…
五十八 君子は疑わいいことについては口にしないし、問われていないことには答えない。そして、道は遠いけれども日々に進むのだ。 知人が多いのに親しい人がなく、広く学んでいるのに一定の方向性がなく、何にでも好奇心を示すがそれがいつもほしいままであ…
ソーシャル・キャピタル入門 - 孤立から絆へ (中公新書)作者: 稲葉陽二出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2011/11/24メディア: 新書購入: 4人 クリック: 43回この商品を含むブログ (20件) を見るいろいろと示唆的なことが多く書かれていた。 ただ、編集…
五十三 雨は小さいいけれども、漢水はその雨のために深くなる。小さなことを尽くす者が大きくなり、微かなことを積む者が著れ、徳の至った者はその恩沢もあまねく、行の尽くされた者はその言論も遠くまで届く。小人は誠がなくて内に積み重ねるということなく…
四十五 湯王は日照りとなったときに祈りを捧げながらこう言った。「政治が整っていないのか、民衆を苦しめているのか、どうしてこれほどまでに雨が降らないのか。宮殿を立派にしすぎたのか、女遊びをしすぎているのか、どうしてこれほどまでに雨が降らないの…
四十二 義を求める心と、利を求める心とは、両方とも人の有しているものである。堯や舜であっても、民衆の利を欲する心を捨て去らせることはできなかった。けれども、その利を求める心に対して義を求める心の方が勝つようにしたのだ。桀や紂であっても民衆の…
三十五 天下には、国ごとに立派な士が居て、またどの世代にも賢人はいる。それなのに、迷う者がいるのは、道を尋ねることをしないからであるし、溺れる者が居るのは、どこが浅瀬なのか問わないからである。亡んでしまう国の人は、独力を好む。詩経 大雅・板…
No.1エコノミストが書いた世界一わかりやすい為替の本作者: 上野泰也出版社/メーカー: かんき出版発売日: 2009/12/07メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (6件) を見るわかりやすかったとは思う。 為替の値動きに…
二十八 見た目や飾りとその用途や本質は互いに内外表裏となっている。礼の規範の中でしっかりと施策すること、これを慮ると言う。礼というものは、本と末がお互いに善で和して、最初から最後までお互いに応じ合うものだ。また、礼とは、財物を実用性のあるも…
二十ニ 地面と平行な位置まで頭を下げるのを拝と言って、それよりも下げるのを稽首と言い、地に付けるのを稽ソウと言う。 「大臣の家臣が拝することはあっても、稽首することはない」とは、家臣を尊くするわけでなく、大臣が仕えている君主を避けるからであ…
株とは何か 市場・投資・企業を読み解く (講談社選書メチエ)作者: 山本昌弘出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/06/10メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 4回この商品を含むブログを見る良い本であったと思う。 特に私がいいなぁと思ったのは、株…
十六 親しい者を親しいとして、先祖を先祖として、国への労役を労役として、自分のための労働を労働とするのは、仁をこれ以上削げないところまで殺いだものである。貴人を貴び、尊者を尊び、賢者を賢いと認め、老人を老いているとして敬い、長者を仕えるべき…
会計思考力作者: 松尾泰出版社/メーカー: 産業能率大学出版部発売日: 2012/08/31メディア: 新書この商品を含むブログを見るとても分かりやすかったし、内容や構成としてもとても良い本と思う。 NECのWISDOMというサイトに連載していたコラムと、それに寄せら…
六 聘礼志には、「貨幣が身を厚く取り囲っていれば徳を傷つけ、財物が多ければ礼は尽き果ててしまう。礼であるこれは礼であると言っても、それは宝石や織物のことばかりではない」とある。また、詩経 小雅・魚麗篇にも、「礼としての贈り物に 全てのことが現…
大略篇第二十七※大略はその字の通り、「大まかに略す」という意味である。この部分に関しては「荀子の弟子や後学がまとめたものであろう」ということで、学者の意見も一致している。内容としても今までの部分の抜粋や、その他実例集といったものになっている…
五章 ここに物があります。 山中に生じて 室内に処し 知なく功なくも 善く衣服を治め 掠め取り 盗むわけでないのに かがみうがって進み 昼も夜も 離れているものを 合わせて 綾模様に飾り その功績 甚だ広きも その賢良は見えず 時が来て 用いられれば 存す…