荀子を読んでいて5

 荀子を読んでいるのだけど、やっぱり難しい。途中だけど、一旦読むのをやめることにした。というのも、ジョンロックの市民政府論並みの、また、資本論並みの、前を理解していないと後が理解できない書物であるからだ。

 あと、最近、なぜだか体調が悪く、理論的に難しいものを読めないからだ。

 荀子の解説を読んでいたら、荀子は、儒学の歴史の中でも異端という見解とあった。その言い方は、浅解であろうとは思うけど、確かに、この緻密で西洋的な理論構成、精神論に因らないところは他の儒学の書物と一線を画している。とは思う。

 荀子凄いな、と思ったのは楽論に書かれていることで、音楽は人の気持ちを変えやすいというようなことが書かれていて、これは、プラトンにも同じようなことが書かれていたと思うんだけど、明らかに荀子の方が音楽が何であるかを理解し、またそれを理論的に表現しているように思われる。まあ、中国の書物は後の人が内容を変えることが多かったらしいので、そういった影響はあるかもしれない。

 あと、解蔽篇もすごいと思った。内容としては、バランスが大事ということが書かれていて、「荘子は天に蔽われて人を知らず」という言葉があり、なるほど、その通りと思った。

 このように、とても素晴らしいことがとんでもなく理論的に書かれている。だが、荀子を解蔽するなら、理に蔽われて情を知らず、ということになる。まあ、荀子自身はそのことに気付いていたかもしれないけど、とにかく、そう思ったので、孟子を読もうと思って、本を探しに行ったら、買ったけどほかってあった言志四録があったので、そっちに心惹かれて、それを読むことにした。

 荀子を読んだ後だと、とても簡単に感じる、というか、早く読める。荀子は、頑張っても、一日10pくらい。だが、こちらは、もう80pくらいの所まで進んだ。というか、理論でなくて、短い文章が並んでいる形式なので、解説とか訳を必要なのだけ読んでいるので、早いのだけど。