易経 乾

まあ、ちょっとした思いつきだけど、自分の復習も含めて易経の解題でもしようと思った。

と言っても、原文を変えれば変えただけ深奥と易簡が損なわれるだけなので、ほとんど原文になるかもしれない。

テキストは岩波文庫易経(上)・(下)です。



乾 乾為天

乾は元いに亨りて貞しきに利ろし。

初九 潜竜なり、用うるなかれ。
九二 見竜田にあり、大人を見るに利ろし。
九三 君子終日乾乾し、夕べにテキ若たり。あやうけれども咎なし。
九四 或いは踊りて淵にあり、咎なし。
九五 飛竜天にあり、大人を見るに利ろし。
上九 亢竜悔いあり。
用九 群竜首なきを見る、吉なり。


暗記結果
九三と九四を入れ替わって記憶していた。これは、だいぶん前からの間違い。いつもよく間違える。

解説
初から上までの順番が分かりやすい。「竜がどこにいるか」ということが、易全体、他の卦の爻の位置の意味を暗示している。初は、事の始まり以前を示し、二が事の始まりを示し、三が事の前の過程を示し、四が事の後の過程を示し、五が事の大成・終結を示し、上は事の大成・終結の後を示す。
ただ、こういった言い方をして勘違いしやすいのが、初の次の未来は二に行くような考え方だ。易の時間的推移は、爻の順番通りとは限らないし、吉卦を得たからといって、それで安泰という意味ではない。最高の吉卦から、最悪の凶卦に時間的には瞬時に移行する可能性もある。変爻を検討し、爻辞と卦辞について熟慮してみると、その符合性に驚かされる。ここまで検討できて、易の時間的推移について考えたと言えると思う。あるひとつの卦の中で順番を追うも大事だが、卦から卦への推移を知ることも重要である。