学問のすすめを読んでいて3

 今日、学問のすすめを読み終わったが、やはり現代こそ読まれるべきものと思う。少し理解できないところもあったので、いろいろな意味を込めて、今日か明日から少しずつ現代語訳していこうと思う。

 それにしても、一万円札の肖像画が福澤であることは、いろいろな意味で感慨深いと思う。

 私は、日本での明治維新に始まる人類工業化革命は、資本主義と、民主主義と、とてもつながりが深いと思っている。つまり、現在の経済があるからこそ、今日のような工業化が可能であったと思っているのだ。

 アダムスミスに提唱された市場主義、マルクスに発見された資本主義、ケインズに定式化された(数式・金融)経済、そして、ジョンロックに明文化され、その他多くの思想家たちによって啓蒙された自由民主主義、また、ルターの宗教革命に始まり、デカルトニュートンダーウィンによって覆され、アインシュタインによって高められた自然科学の原理、これらの要素は、複雑に絡み合って、また密接不可分な関係を持って、この「人類工業化革命を支えて“きた”」と思う。そして、日本におけるそれは、まさしく福澤諭吉一人に、また「学問のすすめ」それ自体に象徴されているように思う。

 この象徴の肖像が、現代でもその人類工業化革命の象徴である紙幣に刻まれていることは、偶然を越えた必然性すら感じる。あるいは、心あり地位もある士君子が、そのことを配慮し、また、これこそを読んでほしい考えて、敢えて、紙幣の肖像に福澤諭吉を選んだのかも知れない。

 とにかく、福澤諭吉が紙幣の肖像であることは、とても感慨深い。

 今、現代語訳しようと思った「いろいろな意味」のひとつを紹介したが、最近、毎日やっていたはずのことが、怠慢と非才によって減ってしまっているので、そういった意味でもこれをやっぱりやってみようと思う。今度はなんとか最後まで行きたい。