占いが当たることは怖い?

占いをして、こちらが聞いてもいないことを言い当てると、その様子を見て「怖い」と言う人がいる。

または、その占いがよく当たることを知って、自分がいざ占いを受けてみるという段になり「怖い」と言う人がいる。

この反応は、非常に正常な反応であると思う。

なぜなら、人が「怖い」と思うときは、一つしかないからである。つまり、人が「怖い」と感じる時とは、「自分の理解が及ばないこと」が目前に迫っている時であるのだ。

例えば、幽霊や妖怪は一般的に怖いものとされるが、それは幽霊や妖怪がどんなものか「分からない」からである。

私も、矢追○一のUFO番組を夜に友人の家で見て、その友人の家から自分の家に帰るとき、超ダッシュで走って帰ったことがあったのだけど、なぜそのとき、そのような恐怖を感じたかと思いだしてみれば、「宇宙人の正体が分からない」からであった。(裏を返せば番組自体が胡散臭いということであるが・・・w)

あと、殆どの人にとって、暴力、痛み、脅し、など危害が加わることは怖いことであると思うが、これは人が危害を受けると「死ぬ」可能性が出てくるからである。そして、「死ぬ」ということは、誰にとっても必ず「分からない」ことである。だから、それらのことを「怖い」と感じるのだ。

放射能が怖いのはそれが見えないからであり、新興宗教が怖いのは内部の人が何を考えているか分からないからである。

だから、当たる占いを「怖い」とする感覚は正しい。

なぜなら、占いが当たる原理は、一般的に周知されていないからである。しかもその上、自分さえ知らない自分の未来のことを知られてしまうのである。これ以上に怖いことがあろうか。

このようなわけで、「怖い」という反応をする人には、私はこのように言うようにしている。

「え?何が怖いの?何も怖くないよ」と。

そしてこのように続ける。

「オレにしてみりゃあ、携帯電話の方が怖いわ。だって不思議やない?こんな小さいのに遠くの人と話ができるんやで。こんなモンは、100年前にでも持って行ったら、みんなビビって、魔術師かなんかと思われるよ。まだ占いが当たることの方が不思議やないわ」と。

占い自体を怖いと思っている人は、このように言えば少し顔色が良くなる。ここで顔色が変わらない人は、自分の未来を非常に案じている人で、「占いで自分のことを当てられること」を怖いと思っており、「宿命」みたいなのを信じている可能性が高い人である。(ちなみにこうゆう人の方が占いが好きである。)だからこのように続ける。

「だから、何も怖くないて。未来っていうのは、基本的に変わっていくものだから。例えば、今そこにあるコップを倒せば、水はこぼれるやろ。やけど、倒さんければこぼれーへんやん。やで、オレはどうするとうまくいくか占いで分かるもんで、あとは自分でうまくやってけば絶対にうまくいくよ。だって、勉強すればいい大学に行けて、良い人生を送れる可能性が高まるやん。それと同じことやて。やで、占いを聞くっていうことは、勉強をするっていうのとは違う方法で、うまくやってく方法を聞くっていうことなんやて」と。

ここまで言っても、まだ不安そうな顔をする人は今のところ会ったことがない。

あと、さらに付け加えるならば、「あなたの未来は決まっている」的なことを言って、何の対策も示さない占い師は、非常に下賎な人間である可能性が高い。なぜなら、それは何の解決にもならないからである。その上でさらに、「また来るといい」とか言うのなら、その人の問題を解決せずに棚上げし、この上で不安を煽っていることになり、そもそも役立たずということになる。言うまでもないけど、こうゆう場合は、相手を金づるとしか思っていないから、そうゆう役立たずには二度と近付いてはならない。最も役に立つ占い師は、一回の相談だけで、その人の悩みを取り除く占い師である。