社会起業家 を読んで
- 作者: 斎藤槙
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/07/21
- メディア: 新書
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社会起業家についてわかりやすく書かれていたと思う。これ関連の本で一番分かりやすく読みやすかった。
あと、社会起業家というのは、現在の社会の枠を越える存在ではない。彼らはただ自己実現のために、経済の自由に則って活動しているだけだ。
だから、正確に言うと、社会の変化で、「金以外のもの」を「ビジネス」に求める人が増えてきて、そういった「ステータス」が消費者にも受け入れられはじめただけに過ぎないのだ。
中国の春秋戦国時代の有名な政治家に管仲という人が居るが、その人は、「米倉がいっぱいになって民衆は礼節を知り、衣服に困ることがなくなって民衆は栄辱を知る。」と言ったけど、その言葉は的中したことになる。
しかし、社会起業家の存在だけに頼っていては社会は何も変わらない。なぜなら、ここに出てくる人は、超人とも思えるような働きをしているからだ。こんなことができる上に、そういったことを生きがいにできる人間は、百万人に一人も居ないだろう。反対に言うと、こういった部分が、社会起業家の脆さや危うさである。
経済の自由が完全に認められている現在でも、その存在だけに頼っていては世の中は変わらない。管仲の言葉は半分当たりで、半分外れなのだ。人は、確かに生活の余裕がないと礼節や栄辱を知ることができないが、一度贅沢を知ってしまうと、礼節や栄辱を後回しにしてしまうのだ。