蟹工船・党生活者を読んで
- 作者: 小林多喜二
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1953/06/30
- メディア: ペーパーバック
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文芸評論としては、蟹工船ははっきり言って下作だと思う。歴史的な価値がなかったら、いやむしろ、歴史的な価値があっても、これでは読まれない。一方、後半に収録されていた党生活者の方は面白かった。文芸作品としては、明らかにこちらの方が上だと思う。
読んだ感想を意味深な詩にすると
世の中に逆らうことの本質は
泳げない人が溺れ死ぬことに似ている
潮が南に流れているのに北に向かって泳げば
その泳ぎの下手な人は疲労困憊するだろう
それで死んでも後悔は先に立たない
潮が引いているときに沖に出て
潮が満ちようとするときに岸に向かえ
潮の満ち引きが待てないのなら大きな船でも作るがよかろう
しかしその船でさえ潮の満ち引きに影響されるのだ
この人達のしたことが無駄だったとは思わないけど、それでも、この人達は「露助」に騙されていただけだと思う。