ロシアのナチス化 ザール地方

最近、ウクライナが、住民投票によってロシアに編入されたけど、これは、世界史上、初めてのことでもなかったみたいだ。

今日、たまたま、世界史の音声ファイルを聞いていたら、この部分があって、ザール地方のことは知らなかったので驚いた。

ウィキを見てもらったほうがいいかもしれないけど、ザール地方は、第一時大戦後のヴェルサイユ体制で、実質的に、ドイツからフランスに割譲された土地みたいだ。

それで、ナチス政権成立後、ナチスが今回のロシアのように、現地での住民投票を行ったらしい。そしたら、投票結果は、投票率98%、ドイツ帰属を希望が90%で、その結果通り、ザール地方はドイツに再編入されたらしい。ちなみに、ヴェルサイユ体制下での、ドイツとフランスの係争地はこの他にも多くあったし、一番有名なのはルール工業地帯だろう。

今回のロシアの場合とは、細かいところでいろいろ違っているが、ナチスはこれを契機として、外地へ積極的に乗り出すようになった。「さすがに、現代ではないだろう」とか思って油断していると、ロシアもどんどん南下西進するだろう。

なんでもそうだけど、悪いことや道理に合わないことは、いかにもそれを肯定するような状況での最初の一歩から始まる。

「みんながあいつの悪口を言っている」がいつの間にかいじめになる。

「ばれなければ、一度くらいなら万引きしていいだろう。」からその人は万引きの常習犯となる。

「これは詐欺まがいのことだけど、上司に言われて仕方ないからやるしかない。」が、いつの間にか、「こうやってやると儲かるから、こうやってやりなさい。」となり、自分が詐欺まがいのことを教える立場になっている。

そして、「みんな赤信号でも横断歩道を渡っている、みんな渡っているから今は渡ろう。」が、いつの間にか、「赤信号でも事故に遭わなければ渡っていい。」となるのだ。

いつだって、大きな犯罪は、小さな一歩から始まるのだ。

私がいくら気をつけたって、このロシアの問題はどうにもならないかもしれない。しかし、多くの人に気をつけてほしいものだ。