第二話 まさか!Only simple thing
デルに電話した結果、リカバリーするのが定石ということだったのだったけど、リカバリーをすると、自分のデータが消えてしまう。
どうしよう!
しかし、実は、このリカバリーという選択肢は、すでにパソコンがおかしくなったときから考えていたことであった。しかも、重要なデータは、他のパソコンなどに移動してあったり、CDに焼いてあるものばかりであった。
移動していないデータと言えば、音楽のデータであるが、これはIpodの方にも入っているし、入っていない分も図書館で借りたやつとか、友達にもらって別に何の未練もないデータばかりであるから、本来なら、すぐにリカバリー操作を行っても良かった。
だが、とても重要なデータが保存されていないことを思い出したのだ。そうそのデータとは、「エロ画像」ではなくて、父の代わりに仕方なく処理していた地区委員の書記としての市役所提出用データだった。ただ、そうは言っても、もう市役所への提出は終わっているし、父も今年でお役目御免で終わりだから、引継ぎに必要くらいのことで、大した問題ではなかった。しかし、いろいろと面倒くさいので、このデータだけなんとかしたいと思っていた。
けれど、電話では、もうリカバリすることで話が進んでいる。すぐに「まあいいや」と思うと、電話の指示通りにリカバリーの操作をやり始めた。デルの場合だと、リカバリーのデータがパソコンの中に入っているらしく、CDは必要ない。パソコンを起動すると同時にF8を連打してほしいとのことだった。
言われたとおりに操作を行うと、とんでもない事実が発覚したのだ。
なんと、マウスが反応しない。しかも、クリックがなかなか反応しないのだ。これでは、リカバリも行うことができない。「ああ、終わった。パソコン死んだ」
パソコンを分解したり、イライラして電源を長押しして強制終了したり、部屋をきれいに掃除したり、あれこれ調べたり、考えたりした記憶が走馬灯のように流れていく・・・
しかし、すぐに別の思いが私の中から浮かんできた。
「あれ?この画面のときは、システムに異常があっても、クリックできるはずですよね?」
「はい」
「これ、マウスが壊れているだけの可能性もありますよね?」
「あります。正常なマウスを付けて試してみてください。でも、システムがおかしい可能性もあるので、システムのリカバリーのやり方をメールで送っておきます」
「・・・・・・・・・わかりました。やってみます。ありがとうございました。助かりました。」
ということで、マウスを変えてウィンドウズを起動したところ、なんの支障もなく操作できるようになった。すぐにHDを買いに行って、今までは分散して行っていたデータの保存を一括して行うことにした。そうして、新しいデータも無事に外付けハードディスクの中に保存することができた。
あんな苦労したのにマウスが壊れていただけだったとは(笑)
ここまでは良かった。
だが、大どんでん返しがまだあったのだ・・・
つづく・・・
教訓 1.クリックしても画面が進まない、シャットダウンできないときはマウスが壊れていることも疑え 2.データの保存は一括してこまめに行え(一月に一回くらい) 3.パソコンで困ったときはサポートセンター