荀子 抄 非相第五

荀子 抄 非相第五

33.一章-前
●人を相うこと、古えの人は有りとすること無く学者は道わざるなり
●形を占うは心を論ずるに如かず、心を論ずるは術を択ぶには如かず。形は心に勝たず心は術に勝たず

34.-後
●従者将に志意を論じ文学に比類せんとするか、直だ将に長短を差けて美悪を辨ちて相い欺き傲ばんとするか
●是れ容貌の患に非ざるなり。見聞の衆からず論議の卑しきに由るのみ。然らば則ち従者は将に孰れをか可とせんとするや

35.二章
●人の此の数行有る者は、上と為らば則ち必ず危うく、下と為らば則ち必ず滅ぶ(三不祥と三必窮)

36.三章-前
●聖王の跡を観んと欲すれば則ち其の燦然たる者に於いてせよ、後王是れなり
●近きを以て遠きを知り一を以て万を知り微を以て明大を知る

37.-後
●人を以て人を度り情を以て情を度り類を以て類を度り説を以て功を度り道を以て尽極を観るは、古えも今も一なり。類の悖らざれば久しと雖も理を同じくす
●略なれば則ち大なるものを挙げ、詳しければ則ち小なるものをも挙ぐ

38.四〜六章
●凡そ言の先王に合わず礼義に順がわざるものはこれを姦言と謂う。辨ずると雖も君子は聴かず
●人に贈るに言を以てすれば金石珠玉よりも重く、人に観すに言を以てすれば彫刻文章よりも美しく、人に聴かしむるに言を以てすれば鐘鼓琴瑟よりも楽し
●凡そ説の難きは、至高を以て至卑に遇い至治を以て至乱に接することにして、未だ直ちには至るべからず
●君子の己を度るには則ち縄を以い、人に接わるには則ち弓だめを用う
●君子は賢にして能く罷弱を容れ、知にして能く愚を容れ、博にして能く浅を容れ、粋にして能く雑を容る。夫れ是を兼術と謂う

39.七・八章
●矜荘にして以てこれにのぞみ、端誠にして以てこれに処し、堅強にして以てこれを持し、譬称して以てこれを喩し、分別して以てこれを明らかにし、和楽芳香にしてこれを送り、これを宝としこれを珍としこれを貴びこれを神とす
●小人辯ずれば険を謂うも、君子辯ずれば仁を言う
●君子の仁を行うや厭くことなし、志はこれを好み行はこれに安んじてこれを言わんことを楽うなり。故に君子は必ず辯ず

40.九・十章
●小辯するは端を見わすに如かず、端を見わすは文に本づくに如かず。小辯して察らかなると、端を見わして明らかなると、文に本づきて理まるとの三者にて、聖人と士君子との分具わる
●小人の辯なるもの有り、士君子の辯なるもの有り、聖人の辯なるもの有り


まとめ
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