日本国債破たん-アベノミクス最悪の結末

 私が、アベノミクスについて、最も懸念しているのは、投資の活発化である。

 少し経済をかじった人は、「えっ」と思われるだろう。それもそのはず、本来、投資が活発になれば、経済活動が活発になり、貨幣が動きだし、景気がよくなる。というのが、“今までの”経済の常識であるからだ。

 しかし、私はこの常識に真っ向から反論を投げかける。

 まず一点目、その投資された資金は何に使われるのか?セオリー的には設備投資だ。とおっしゃるだろう。では、その設備投資はどこで使われるもののことなの?という話である。

 もし、あなたが10億円を手に入れて、新しく工場を建てる場合、どの国に工場を建てますか?

 A.日本、B.北朝鮮、C.中国、D.ベトナム

 さあ、良く考えて、工場を建てた時に“自分が”一番儲かる国に、工場を建てる決断をしていただきたい。別に模範解答は出さない。だけど、安全で人件費のかからなさそうな国をほとんどの人が選ぶと思う。

 では、さらに尋ねよう。あなたが一番儲かるその国に工場を建てた時、日本の経済は活性化するだろうか?日本のGDPはどのくらい増えるだろうか?そして、それはどのくらいの期間日本の経済を活性化するのか?

 これで一点目の私の反論の根拠は、自明の理として十分に証明されたと思う。

 では二点目に移ろう。日本国債は何を資金源として成り立っているのかということである。これは有名な話であろうけど、日本国債は、日本の銀行や農協や郵便局がその所有者である。それは、つまり日本国民の貯蓄であるということだ。要は、膨大な日本国債は、そのほとんどを日本国民の貯蓄に頼っている。だから、もしも日本の全金融機関の現金貯蓄残高が、日本国債の総額を下回った場合、日本国債は破たんすることとなる。ここまでは納得していただけるだろうか?日本国債は、天から降ってるような恵みの雨でなくて、貸してくれる人や機関があるから成り立っているものなのである。だから、このお金を貸してくれる人や機関がもうお金を貸してくれない、もしくは、現金が無くて貸せない状態になったら、その瞬間に日本国債は破たんすることになる。

 ここで、またあなたに質問をしたい。もしも、あなたが一億円の現金を持っていた場合、インフレが起こる場合どうしますか?ということである。ちなみに、インフレとは、お金の価値が下がることである。例えば、今、うまい棒は一本10円で買えるけど、インフレすると一本20円になるかもしれない。これがお金の価値が下がるということである。このようなことが予測される場合、どうしますか?

A.そのまま貯金しておく
B.今は純金100グラムを10万円で買えるけど、将来は恐らく純金100グラムは20万円で売れるから、買えるだけ純金を買っておく
C.長期的な視野で財産を株や土地にしておく
D.ユーロやドルとかの外貨の方が、日本円よりも利率も高いし、安全だし、将来値上がりする可能性があるから、外貨預金する。

 さあ、あなたが自分の財産を価値の減らない形で保存したい場合はどうする?あるひとつの選択肢以外が選ばれると思う。そして、あなただけでなく、みんなその選択肢を選ぶだろう。こうなった場合、日本の全貯蓄残高はどうなる?そんな難しい計算でない、簡単な引き算だ。

 で、そうなると、どうなるんだったっけ?という話である。そんな難しいことではない。ただ、その現実を受け止めることが、できるのか、できないのか?というだけの話である。恐らく、ここまで明らかに説明しても、ほとんどの人がこの話を信じられないというか、意味が分からなく感じられると思う。それもそのはずで、これはとても簡単な仕組みの事であるけれど、あまりにもスケールがでかくて現実離れし過ぎた話であるからである。再度尋ねよう。これは簡単な仕組みの簡単な計算です。信じますか?信じませんか?

 ただし、私の以前調べたところによると、国債と全残高の差額は日本のGDPの1年分(400兆円)くらいはあるみたいだから、安倍政権が4年続いても、その最悪の結末は訪れないだろう。早くて10年後である。この猶予期間の間に、最初に挙げた投資先の問題や、労働賃金の問題などに、うまく対処することができるならば、アベノミクスは大成功するわけでもある。もちろん、成功する可能性はゼロではないけれど、私の予想だと、10年後、20年後に成功だったと言える可能性はせいぜい5%くらいだと思う。

 そして、あくまでも言っておくけど、ここに私がした簡単な仕組みの簡単な計算は、最悪の場合を想定した方の話である。つまり、ものごとには、必ず利点もあるわけだし、必ず欠点もあるわけである。アベノミクス(安倍の未来)の場合は、欠点として挙げられるこのことが、あまりにも重大であるから看過できない、という理由でここに私は明らかにした。信じる信じないは自由であるし、これは所詮、経済学独学のアラサー独身男性の私的な見解と予測であるからには、受け入れることのできない方は、「素人のアホが、なんか下らんことほざいとるわ」と思っていただきたい。