党首討論を見て

 ニュースステーションでやっていた党首討論を見た。

 いや…、わからんよ。

 ということだ。

 要は、党が乱立し過ぎていて、しかもその党ごとそれぞれにもっともな言い分があるから、ほとんどの人が意味が分からないと思う。私も意味がわからない。どの党がいいのか決めるどころか、党首討論を見ると、余計にどの党がいいのかわからなくなるという状態になっている。

 こうなると、もうイメージだけの戦いになる。

 TPPのことに関しては、もはや誰が本当の「事実」を言っているのかさえ分からないような状況だ。

 このイメージの戦いの本質を分かっているのは、野田首相くらいだけだったかなと思う。話がうまいことはそうだけど、それ以上に、敢えて笑みを浮かべたり、余裕をもったようなそぶりをしていたように思う。ただ、それが選挙にどう影響するかは難しい。なぜなら、民主党のイメージもあるからだ。

 共産党の四井党首は、とにかく誠実に嘘をついていない感じがする。だけど、共産党のイメージがあるから、得票率は大して上がらないだろう。

 そんな感じで、私としては真剣に聞いていたつもりだったが笑ってしまった。

 もうひとつ、面白いなと思ったことは、民主党自民党だけは、政権に事実として関係しているから、この二党だけは、しっかり「国際社会を配慮した発言」をしていたと思われることだ。他の党の党首は、ほとんど言いたいことを言うだけのような状況だったと思う。

 まあ、でもほとんどの人はそこまで見抜けないから、やっぱりイメージの戦いを脱することはできなくて、さらに、わけのわからない議論ばかりしているわけで、国民の政治への関心は結局のところ高まらないと思う。

 そうなってくると、やっぱり、このまま選挙戦は平行線を辿って、自民党のみ、もしくは自公連立で過半数が取れるだろう。

 今回の討論ではなかったけど、道州制のような地方分権についてはどうなっているのだろう。

 とりあえず、「TPP参加」と「憲法改正手続きの緩和」と「自衛権の拡大解釈」、そして多分「地方分権」(これはむしろ国会では進む方で統一されていて官僚が敵なのかもしれない)の方向に日本は進んでいくと思う。原発についてはまだ分からないという感じがする。