種の起源 第1章 飼育栽培のもとでの変異 2

種の起源要約 まとめ 目次

エバトの品種について -On the bleed of Dmestic pigeon-

参考さまざまなハトの写真

 私は、熟考の末、ハトを飼育してみることにした。(ここで、ハトをどのように手に入れたか、また、ハトの品種に形式的差異がどのようにあるかなどが記されている。)

 ハトの各品種を、骨格や脂肪線などの生物的学観点から観察し、その差異を具体的に示している。 (その差異は、上の参考写真を見てもらいたい。)

 もしも、このハトの各品種を、野生のものだと偽って鳥学者に見せたならば、それらは、違う種として認定されるだろう。

 このように、ハトの品種間には、大きな差異がある。しかし、私は、このハトの祖先が単一の種、カワラバトに由来するものであることを信じて疑わない。なぜならば、もしも交雑によってのみ、現在のハトの他品種が作られたのであるならば、少なくとも7、8種のハトの原種が必要ということになる。しかし、現在、野生には、ほとんどカワラバト一種しかいない。そして、残りの6、7種が絶滅したとは到底考えられないからである。また、古代人が、7、8種ほどの野生種を同時に家畜化することができたとは考えられない。

 私は、色の異なった品種bleed同志を掛け合わてみたが、ほとんどが孫の世代でカワラバトと同じ色になった。これはただひとつの種が現在のハトの品種の祖先であることを立証している。また、これらの観察により、違った品種とただ一度だけ交雑した品種は、原種への復帰が薄れていくのに対して、違った品種と交雑していないのに起こる原種への復帰は、そのまま薄れずに継続するということがわかった。

 さらに、ハトのどの品種同志で交雑しても、その子は、常に完全に生殖可能なのである。明白に違った生物間の交雑が、可能であろうか?

 これらの実験及び、考証から、現在のハトの祖先はたたひとつ、カワラバトとするのが適当である。

 1.カワラバトの習性及び構造は、全ての品種においてある程度の共通がある。2.品種は秩序だった系統にして示すことができる。3.著しい形質の相違は、後に述べる選択によるものである。4.ハトは古くから人間に愛好されているし、ハトが一生を通じてつがわせておくことが容易な種であること。これらの事実は、先の推論をさらに確証する。

 私自身、ハトの祖先がただひとつであることを証明することは非常に困難だと、はじめ思ったし、また、品種改良家と話をしていると、彼らも、ハトがそれぞれ異なった祖先を持つ、ということを信じて疑っていなかった。また、彼らは、品種を改良する上で、いつも軽微な差異を選択し、そのことによって賞を得ている。しかし、長く続く世代の間に集積するその軽微な差異の総和について思い描いてみることをしていないのである。