荀子を読んでいて1

 韓非子をほぼ読み終わったので、韓非の師である荀子の書物(荀子)を読み始めた。とても面白い。これは、だいぶ前から買ってあったのだけど、なんか難しいと思って封印されていた。

 読んですぐ思ったのは、この師にしてこの弟子あり。ということだった。論体というか論調というか、理論の進め方の骨格というか、そういったものがとても似ている。恐らくだけど、韓非は、荀子の書物を何度も読んだのだろうし、師としてとても尊敬していたと思う。ほとんど同じ表現も見られた。

 この段階でそういった評価をするのは気が早いかもしれないけど、思想についても同じことが言えるのではないかと思う。明らかに違うであろう点は、韓非子が完全に統治する側の立場で書かれているのに対して、荀子はそうではないということと思う。

 第一篇の勧学と修身に関しては、何度も読んで暗記する価値もあると思う。理論家の韓非の師匠らしく、この最初の篇には、最初が肝心という理論をもってして、なみなみならぬ熱意と練り込みがあるように思う。