中国土地バブルは大きく決壊しない

 このことについては考えを改めるに至った。

 何故、私がこのように考え直したかと言うと、「中国土地バブルが崩壊した時」のことを想像してしまったからである。考えただけで恐ろしい。こんな恐ろしいことに、各国の優秀な人たちが気づいていないわけがない。今頃、というかもう終わっているかもしれないけど、世界中の英知を結集して「中国土地バブルが決壊しない手だて」が実施されていることだろう。

 なんで、自信満々にこんなことを断言できるのか?一応根拠がある。思い出してほしいのだ、「リーマンショック」を。中国の土地バブルがまともに崩壊したら、あれ以上のことが起こる。あれ以上の津波が世界経済を襲う。簡単に推測できることだ。そんなことが起きたら、あれよあれよと言う間に、世界の「経済」自体が崩壊する。だから、世界中が英知を結集して、必ずそれを食い止めようとしているはずなのだ。

 ここまで来ると、なぜ、日本のバブルが崩壊した時は大丈夫だったのか?という疑問が湧いてくると思う。その疑問は当然だ。しかし、違いは明確に指摘できる。それは、「経済」の円熟度だ。例えば、日本のバブル崩壊は、二十歳そこそこの若い人が腕の骨を折るような話。利き手の方でなければ、なんとか生活できる。ちょっと不便くらいの話だ。しかも、すぐ直る。それで、リーマンショックは、40代くらいの人が足の骨を折ったような話。だが、中国の土地バブルが決壊すると、70位の人が腰の骨を折るような話なのだ。致命的であるということが分かっていただけると思う。

 何を根拠に、経済が円熟したと言うのか。と思われると思う。それはごもっともだ。だが、経済が円熟したというか、正確に言うと、地域経済が近くなったと言うべきかもしれない。グローバル化は、多くのモノと多くの知識の交流速度を早くした。そして、遠かったことを近くして、ばらばらになっていたものを小さく一つににした。以前は、一国の経済が倒れても他の国の経済が生き残っていた。だが、今は違う、一国の経済が倒れると、他の一国の経済が倒れ、また別の一国の経済が倒れる、こういったドミノの連鎖が起きてしまうのだ。以前より今の方が、ドミノとドミノの距離がはるかに近づいていることは、言うまでも無い。それに以前は、社会主義国家という別棟のドミノがあったけど、今はそれがない。

 そして、中国というドミノの大きさは、結構でかい。しかも、他の隣接するドミノたちは、一応立ててあるけど、もうグラグラだ。ヨーロッパでは、もうすでに、倒れたドミノを、必死で支えているような状態。この状態で、中国の結構でかいドミノが倒れたら、どうなるか?そんな難しい推測ではない。だから、世界は英知を結集して、それを何とか倒さないようにしているはずなのだ。これが故に、中国の土地バブルは大きく決壊しないと思う。