(根拠のない)政局予想 part2

 顔とか見た目とかでだけだけど、私は野田氏を高く評価している。なんか、唯者でないにおいがする。


 私が、野田氏を無難(無難は私にとっては褒め言葉)な党内人事をしたと評価したんだけど、その理由は、輿石氏は、多分だけど(これも見た目とかだけで判断)非常に芯のないタイプだと思ったからだ。政治的な能力と、信念ややり通すことやそういったメンタル的能力は、全く別個のものである。だから、私は、輿石氏とは「政治的手腕はあるが、メンタルは弱くてうまいことやれば操ることのできるタイプ」と思っていたので、それを幹事長職にもってきたことを高く評価したのだ。しかも、それが大派閥小沢派の重鎮と来ている。もうゆうことなしの最高の一手だと思った。


 あと内閣人事で言うと、ニュースで顔ぶれを見た時、一点だけ「あれ、ちょっとおかしいんじゃないの?」と思った人事がある。それは、防衛大臣だ。ニュースで小沢派と言っていたので「あれ?」と思った。それともうひとつは、前の北沢氏再任が、他の人事の流れからいくと妥当ではないかなぁという気がしたからである。何故こんな人事をしたのか推測してみるに、「小沢氏が防衛に関する権限をほしがっていた」のではないかと考えられた。その恩を売るためにそのような人事をしたのかなぁと思っていた。


 けど、今日、早速「失言報道」がなされていた。


 もしやとは思うけど、野田氏ってまさか、そんな私の想像を超えた策を打つ大物だったの?と思った。輿石氏にしろ、防衛大臣にしろ、まさかとは思うけど「失言させるため」に任命したんじゃないのか。と思ったのである。当たり前の話だけど、失言すれば責任を問われるし、失言した人の所属グループは立場が悪くなる。それって、野田氏からすると、一石二鳥どころか、一石三鳥くらいの効果があるんじゃないの?と。なぜなら、大連立するならば、自民党に大臣の枠を譲らなければならない、そのときに、どの民主党大臣を外すのかということや、自民党と大連立をする上で障害となっているグループがどこなのか、と考えた時、これが策なら一石二鳥としか思えないからだ。もし、これが策ならば、野田政権はかなりの確率(70%くらい)で長期化(次回総選挙後も続く)する。それに、民主党もまともになるかもしれない。「え、でもその策には欠陥がある。野田内閣に傷が付くじゃないか」と思った人もいるかもしれないけど、それはそんなことはない。もう今の流れでは、みんな「責めるやつも悪いし、責められるやつも悪い」となっているし、そうゆうことが慣れっこになった今、大臣一人が失言したくらいで内閣自体に傷はつかない。それに、自民党がどれだけ攻めようが、自民党にはそれにとってかわる求心力が無いのは明白だ。


 ほとんどの人は「まゆつば」すると思うけど、まさか野田氏って、民主党を利用していたのではないかと思い始めた。つまり、このとき、「小沢を排除する時」を内部から虎視眈々と狙っていたのではないかということだ。もし、私がなんとか日本を良くしたいと思い、政治家であったならば、そのくらいのことはするであろうからである。もちろん、できるかどうかは別としてだが。もしも、野田氏が「私の想像をはるかに超えている人物」なら、スムーズに次の新しい時代に移行できるかもしれない。というか、今の日本がそもそも「破局」している状態ではないのか、とも思い始めてもいる。


 ほんとに、もしも策なら野田氏は相当のものだ。多分孫子とか韓非子とかその辺の本を何度も読み、そして理解しているであろうし、それ以上に、人と物事を見据えて見抜く真眼を持っていることになる。なぜなら、策であるとすると、弱点や盲点、それは逆に言うと敵の一番の強さでもあるのだけど、とにかくそれをうまいこと利用しているからだ。しかも、その博打みたいな策を、8割がた成功すると確信し、それを実行に移す決断力と度胸は大したものを超えている。リスクを敢えて取りに行く人間や策は強い。この辺のことを勝負強さとも言うのだけど、まあ、とにかく、これが策だとするといろいろと期待できる。