天地人三材

おもしろいことを思いついたので書いておく



天とは運なり。運とは知恵なり。知にしてもて恵みをもたらす、之運なり。天は己にあらざるも己にあり。

地とは順なり。順とは精進(はげみ)なり。己を知りてこれを方正す、之順なり。地は定まるもこれもて定めるは己にあり。

人とは仁なり。仁とは慈なり。人をして己と同じくせしむる、之仁なり。人は己にあらざるも己なり。

ようようにして、天地人三材の尽くさるれば、天、此に在り、地、此に在り、人、此に在り。

三材の在るところ此なり。彼の此にあらんや。


現代語訳

天とは運のことだ。運とは知恵のことだ。多くのことを知ることで恩恵を受けること、これを運と言う。天は自分で制御することはできないないが、それは自分の制御下にある。
地とはよく受け入れるということだ。よく受け入れるということは精進することだ。自分のことをよく知り、そして良い形に整えて正すこと、これをよく受け入れることと言う。地は定まっているものだけどこの下地を良く定めることは自分自身にある。
人とは思いやりのことだ。思いやりとは慈しむことだ。自分以外の人を自分と同じ価値まで引き上げること、これを思いやりと言う。自分以外の人は自分自身ではないけれど自分自身でもある。
こうして永い時間を経て、天地人三材が尽くされるならば、天はここに、地はここに、人はここにある。
三材のあるところとは、この我々の生きる世界のことである。あれはここに無いのだろうか、いやある。