蓮舫女史の二重国籍問題について

この問題がまだ話題となっているけど、どうも意味が分からない。

というのも、もし仮に、二重国籍であることが党の代表であることの欠損事由になるのならば、そもそも、二重国籍で国会議員になることがおかしいということになろう。

ならば、蓮舫女史は、(そういった法律があるのならば)その法律で裁かれるべきである。日本は法治国家であるし、例え二重国籍であろうと、日本に住んでいる以上は、郷に入りては郷に従えで、日本の法律を守らなければならないはずだ。

さらに言うなれば、このような違法状態が続いていたとしたら、このことを国会で追求しなかった自民党公明党にこそ、その責があるということになる。もっと言えば、この法律違反を精査していなかった、選挙委員会などにも責任がある。責めるべきは本人よりこっちである。

なのに、そういった批判は聞いたことがない。

また、そもそも法律違反ならば既に処分されているはずだ。だから、事実そういった処分がくだされていないのだし、二重国籍が理由で党代表になる資格がない、という議論は、一切の空論で、ただの言いがかりやイチャモンのレベルを越えないということになる。


しかし、いや、問題はそこではない、ということなら分かる。

蓮舫女史は、過去の自著などで、自分の二重国籍を売りにして、これを宣伝に使っていたようだ。それなのに、この話題が炎上して、バッシングを受け始めた途端に、「いやいや、私は二重国籍ではないから」と言い出すのは、あまりにも虫が良すぎる。
都合のよいときには、「私は二重国籍だから」と言って、都合が悪くなると、「私は二重国籍ではない」と言う。

これは、蓮舫代表が「対決」しなければならないはずの、安倍氏のやり方と同じではないか?

都合の悪いときには、「アベノミクスは志半ばだ」と言って、都合のいいときには、「これはアベノミクスの効果だ」と言う。

このようなことを主眼として批判するならば、これは非常に当を得ているし、これこそ真の大問題である。

この私の考えが間違っていなければ、今後の与野党「対決」は、どんぐりがどんぐりと背比べをして、戦場から五十歩逃げた者が、百歩逃げた者をバカにするようなものになるだろう。

同族同列同等の争いでは、いつまでたっても足の引っ張り合いが無くなることはない。

論点を間違えた議論しか話題にならないことも含めて、実に先が思いやられる。