ブリテンのナショナリズム

 今、イギリスでオリンピックが行われているのだけど、なかなか面白い現象が起きているようだ。

 というのも、たまたま、夕方テレビで見たのだけど、「GB(Great Britain) b(人差し指を立てる)」というのが流行っているらしいのだ。

 なんでこれが面白い現象なのかというと、イギリスは、民族としてはほぼ同じなのだけど、王家の歴史的に、イングランドウェールズスコットランド・(アイルランド)に分かれている。それで、これらの地域の人には、イギリス人である前に、イングランド人、スコットランド人などの、自分の出身地域への誇りのようなものを持っていて、イギリス人であるという自覚は少ないからだ。このことは、サッカーでのイギリスの出場形態に色濃く残されている。

 この概念は、日本でいうと、「九州男児」という概念が近いのではないかと思う。例えば、「九州男児」が、「九州男児」だけで結束して、やわなその他の日本人を蹴散らしたいと思うような感覚だ。(例えばの話で、九州男児がそんなことを思うのかは不明である)

 このイギリスが、今回のロンドンオリンピックを通じて、人差し指を立て(つまりイギリスは一つとジェスチャーして)、「Graet Britain」と叫んでいるのは、まさにナショナリズムの発揚であって、とても興味深く面白いことなのだ。また、これは、イギリス政府が、オリンピックを自国のためにうまく利用しているとも考えられる。というか、間違いなくそうであろう。

 また、最近は読んでいないのだけど、BBCニュース(イギリスの国営報道機関)で、オリンピック開催数か月前から、「あなたはブリテン人かどうか」とか、「ウェールズ独立運動をしている人がいる」みたいな、ナショナリズムについて考えさせるような報道が為されていたことは、このイギリス政府の強かさを語った後では、言うまでもないことである。

 まあ、言うまでもないけど、この強かさを日本も見習いなさい。