わかりやすい経済

 このページに辿りついた方は、多分、「わかりやすい経済」という他のホームページやブログをいろいろ見た挙句、結局経済が納得できなかった人だと思う。そんな人のために最も的確な答えを提供したいと思う。

 わかりやすい経済。そんなものはない。それが、経済を一番分かりやすく表現した言葉だろう。そのことと、経済学の真の本質を解説して納得してもらうので、なんとか最後まで読んでいただきたい。

 経済の祖と言われるアダムスミスの著書「国富論」は、あの字が細かい岩波文庫本にして、しかも一冊が「え、こんな太い文庫本あるの?」という厚さにして、なんと第四巻まである。次に資本主義を発見したマルクスの主著、「資本論」に至っては、同じく岩波文庫本にして第九巻まである。その本の小難しさとボリュームをわかりやすく説明すると、例えば、この小難しい私のブログ、この小難しさとボリュームが、岩波文庫本の1ページに詰まっていると思っていただきたい。それが、一冊当たり、約300ページ、そして、それが九巻まであって、さらにたまに太いのもあるから、その総ページ数は、楽に3000ページを越える。

 一応念のために、中の文章の小難しさも紹介しておく。例文「このようにして、可変資本は、労働者が自己の維持及び再生産に必要とする、そしていかなる社会的生産体制においてもつねにみずから生産し再生産しなければならない生活手段原本および労働原本の、一つの特殊な歴史的現象形態に過ぎない。」抜粋云々を越えた意味の分からなさ、そして、小難しさが十分に伝わったと思う。

 さらに、現代経済の祖と言われるケインズに至っては、彼がバイセクシャルだか同性愛者であったことはさておいて、なんと4歳で利子が何であるのか説明できるほどの天才であったという。そしてそんな彼が考えだした公式が「F(Dw)=N=ΣNr=ΣFr(Dw)」である。もう全く意味が分からない。そして経済学にはこんな公式が数えきれないほどある。

 さらに言うなれば、今あげた三人の経済原理は、現在の経済原理の礎であるにも関わらず、経済学者に言わせるとお互いがお互いを排斥しあうような考え方らしい。つまり、古典経済学派とか、ケインジアンとか、マルクス派とか、新古典経済学派とか、経済学の中でも派閥がいいっぱいあって、経済の捉え方自体が違うのだ。

 ここまで来ると、私の言いたいことが分かっていただけると思う。経済は、経済学者自身、いやもとい経済学会自体もその全てを理解できていないほど難しくて込み入っているのだ。それが証拠に、みんながみんな違うことを言っている。だから、経済をわかりやすく説明すると、「わかりやすい経済なんてない」という結論に至るのだ。そして、この「誰もしっかりと理解している者がいない」というのが、経済の本質なのだ。数式とか理解だけで経済を全て乗り切ることはできない。結局は、直感とか勘を、ある程度の基礎知識とともに使うのが一番いいと思う。

 経済とは、そもそも、人間が生活の便のために作り出した道具にすぎないのだ。人間が、人類が、その経済に振り回されてはいけない。経済はあくまで人間のための道具として、うまく利用しないとならないのだ。

※2013.1.29追記

「経済 わかりやすい」などと検索すると、これが結構上の方に来るようになってしまっているようである。そこで、これを読んで、変に納得してしまって、経済の勉強をやめようと思う人もいるかもしれない。だけど、それは違う。経済は勉強すれば分かる。そして、もちろん、本当のわかりやすい経済もある。それを紹介できないのは残念だ。

そこで、私の勉強も兼ねて、質問を受け付けます。なるだけわかりやすく説明するつもりなので、気軽にメールしてください。keigossa☆yahoo.co.jp

経済自体は何かということについて
http://d.hatena.ne.jp/keigossa/20120908/1347069954

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