わかりやすい論語9 威風

はじめに
堂々とした威風や、そわそわしない落ち着きは、男なら一度は憧れるものです。女性でも、落ち着きがあれば、知的に、そして上品に見られるものです。では、どうすればこの威風や落ち着きを身につけることができるのでしょう。論語の言葉からそれを探ります。


子曰く、君子は重からざれば則ち威あらず。学も則ち固からず。忠信を主とし、己に如かざる者を友とすることなかれ。過(あやま)っては則ち改むるに憚(はばか)ることなかれ。

(学而第一)


現代語訳
君子は、動作が重々しくてどっしりとしていないと、威風というものがない。学問も芯がなくて曖昧である。忠信(偽りのない真心)を自分の主として、自分に劣る者を友としてはならない。誤り(真心を通り過ぎるようなこと、行き過ぎたこと)があったのなら、それを改めることをためらってはならない。


解説
 本当に立派な人は、こそこそしたり、意味も無くそわそわしたりしません。こそこそするのは、隠したいことがあるからです。そして、そわそわするのは、分からないことがあって不安だからです。学問を積んで分からないことを減らし、隠さなければならないような自分の行動を少なくするならば、人は、動作が重々しくどっしりとなって、威風というものを帯びるのです。

 そして、この威風を備えるために必要なのが、真実と自分と人に偽りのない真心「忠信」なのです。真実に偽りがない真心を持つならば、真実を知ろうと学ぶことを好み、虚偽を遠ざけるようになります。自分に偽りがない真心を持つならば、自分に正直になり、また自分を知ることによって自信が湧いてきます。誰かに偽りのない真心を持つならば、嘘をつかなくなり、またその人のことを正しく知ろうと思うようになります。

 だから、この「忠信」がなければ、「己に如かざる者」(自分より劣る者)を知ることができません。ですが、「忠信」は簡単に得られるものではないので、まずは、その人の良いところを探しましょう。あなたにとって大事な何かをその人が知っているから、その人とあなたには付き合いがあるのです。親身になって探してみれば、必ずひとつは良いところがあるはずです。このように、人の良いところを探すことが、「忠信」を育てることであり、また、「己に如かざる者」を友としないことなのです。

 こうして得た友は、自分が持っている間違いを教えてくれます。その友が教えてくれた自分の誤りをためらうことなく改めましょう。その誤りとは、真実への真心からそれたことであったり、自分を行き過ぎて評価していたことであったり、誰かへの真心が足らなかったりすることであるはずです。この自分の「過り(あやまり)」を少しずつでも改めていくことが、威風や落ち着きにつながっていくのです。


わかりやすい論語まとめ
http://d.hatena.ne.jp/keigossa/20120207/1328611563

おまけ 英訳
If "Kunshi" dosen't have heavy attitude,he can not give a impression of majesty.His wisdom must not be hard,too.
Have a will what is real heart seeking for truth!
Don't associate with friends who not has a quality!
Improve your mind and attitude at once if you find your mistake!
良い風に英訳できなかった…、まだこの言葉をしっかり理解できないということかな…